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伊藤健太郎

狩猟型PMへの道

[伊藤健太郎] 弊社代表

不確実性の高い時代に求められる狩猟型プロジェクトマネジャーとは?!
弊社代表伊藤の思いが詰まったコラムです。

プロジェクトには、新商品開発、ITシステム開発、製薬開発、プラント建設、展示会開催、人事システム改革など様々ありますが、プロジェクトを遂行していくのは、決まったルーチンワークの仕事を繰り返していくのとは全く違います。

プロジェクトとルーチンワークとを分けるのは、「不確実性」です。プロジェクトはルーチンワークよりも不確実性が高い仕事です。

プロジェクトの内容や複雑性で不確実性の大きさも変わりますが、不確実性が高いほど、予期しないことが起こる確率が上がりますし、どうしたらうまくプロジェクトが進むのかといった方法も手探りになります。

また、何か問題が発生したときに、正解が分からない、または見つけにくくなりますし、意思決定も自信を持って行うことが難しくなります。

このように不確実性が高いプロジェクトほど、成功させるのが難しくなります。それは、決まったマニュアル通りに仕事を進めていけば成功できるものではないからです。

狩猟型プロジェクトマネジャーとは、「不確実性の高いプロジェクトを成功できる人」を意味して、使っています。待ちの姿勢では、全てのプロジェクトは失敗します。

適切にプロジェクトをコントロールできないと、プロジェクトは混乱し、成功から大きく離れていきます。では、どのような視点や行動があれば、不確実性の高いプロジェクトの成功確率を上げる行動がとれるのでしょうか?

また、不確実性とどのように向き合い、闘っていくのがいいのでしょうか?

幸いな事に、プロジェクトは1人ではなく、チームで遂行していきます。しかし、このチームのパフォーマンスは常に高いとは限りませんし、様々なステークホルダー(関係者)との関係性もプロジェクトのパフォーマンスに影響を与えます。このように様々な環境の中で、不確実性の高いプロジェクトを成功させていくことは容易な事ではありません。自然に任せるのではなく、意識して習得しなければならないこともあります。

このコラムでは、狩猟型プロジェクトマネジャーとして自由に活躍できるために何が必要なのか等、様々な視点で検討していきたいと思います。

次回は、「狩猟型プロジェクトマネジャーの心と視点」について考えます。


前回は、”不確実性”をキーワードに、狩猟型プロジェクトマネジャーの必要性とその定義について説明しましたが、今回から、狩猟型プロジェクトマネジャーの心と視点について考えていきます。

  1. 1)自覚
  2. 最初に狩猟型プロジェクトマネジャーに必要なことは、成功という重い責任を背負っていることの自覚です。狩猟型プロジェクトマネジャーには、不確実性の高い、すなわち成功が困難なプロジェクトの成功が期待されているのです。

    そしてプロジェクトマネジャーは、責任という重みをベースにして、自由に思考、行動することが求められる職務です。「既存のプロセス通り実施しましたが、うまく行きませんでした」ということが言えない職務だと言えます。

    狩猟型プロジェクトマネジャーは、自分から積極的にその責任を引き受ける気持ちを持たなければいけません。

    まずは、それが心のスタート地点になります。

  3. 2)ネガティブフィードバックの打破
  4. 次に、重さ故に身動きがとれない、意思決定ができないという壁を破る事が求められます。この見えない壁のおおもとは、ネガティブフィードバックと呼ばれるもので、何かの行動を行うのに、抑制する力が過剰に働きすぎる事です。ネガティブフィードバックに縛られると、自由に動けなくなりますし、チャレンジ精神も発揮できなくなります。

    ネガティブフィードバックは、自由気ままな行動を抑制し、社会的な規範を維持する上では必要なものではありますが、長い時間をかけて、無意識レベルまで私たちの中に入り込むものです。それが、プロジェクト・マネジメントの障害となることもあるのです。

    一度、日頃の行動や意思決定、発言などでネガティブフィードバックが掛かりすぎていないか、確認されてみてはいかがでしょうか。

    次回も、狩猟型プロジェクトマネジャーの心と視点の続きです。


前回に続き、狩猟型プロジェクトマネジャーの心と視点について考えていきます。

  1. 3)自分との戦い
  2. プロジェクトマネジャーは、チームの状態やメンバーのモチベーションに気を配る反面、自分自身の感情やモチベーションは、普段あまり意識する事が少ない、得てして自然に任せてしまうことが多い領域です。

    しかしながら、その領域は、プロジェクトマネジャーにとって一番大切な領域です。

    プロジェクトマネジャーは、自分自身を適切にマネジメントできないと、チーム全体、またプロジェクト自体もマネジメントできないということです。

    ここでいう、自分自身のマネジメントとは、自分のパフォーマンスが高くなるように自分自身の心のコントロールを行う事です。たとえば、心には時間の切れ目はありませんので、プライベートでの悩みは仕事のパフォーマンスにも影響を与える事があります。また、ストレスが高い緊張状態が続くと、自分の力が逆にだせなくなる事があります。

    このようにプロジェクトのマネジメントのためには、自分自身のマネジメントがまず必要になります。これを自分自身の戦いと呼びます。

自分自身のパフォーマンス向上はスポーツ等のリフレッシュでも効果がありますが、より効果的なのは信頼できる人との会話やアドバイス、また自分自身の内省の時間を持つ事です。

自分自身の心の状態を確認されてはどうでしょうか。


今回は、難しいプロジェクトを成功させていく上での武器について考えてみたいと思います。

まず、プロフェッショナルと呼ばれる人は、自分の道具(武器)を持っています。しかし、あらゆるものを完全に使いこなせるということはなく、1つの道具(武器)を徹底的に使いこなすのに多くの時間と努力や工夫をしています。

テニス選手はテニスラケットでトップスピン、スライス、フラットなどがイメージ通りできるように努力しますが、当然ながら、卓球やサッカーボールでの練習はしないでしょう。(一部、自身のフィールドとは違うスポーツの練習を取り入れることで、自身の競技のスキルアップを狙う練習というものもあるとは思いますが、最終的には実際の自分の「道具」を使いこなせるようになる必要があるでしょう)

つまり、自分のフィールドで必要な道具(武器)の使い方を磨いていきます。また、必ず基本を大事にし、毎日基本的な動作の確認から徹底的に行います。

では、プロジェクトマネジャーの武器とは何になるのでしょうか?

当然、プロジェクトを成功させていく上で役立つものでないと話になりません。

そして、「あればいい」といったものではなく、「必須」のものが必要です。

いろいろ考え方はあるかもしれませんが、私は次の3つを選択します。

  1. 1 プロジェクトマネジメント知識体系
  2. 2 人間力
  3. 3 自分の哲学

1のプロジェクトマネジメントの知識体系は、知的武装として必須です。

不確実性が低い、内容に詳しい業務遂行の場合には、PM知識体系はなくてもプロジェクトの実施、遂行ができてしまう場合がありますが、自分が内容に詳しくないプロジェクトを遂行していくには、内容ではなくプロセスにおいてリーダーシップを発揮する必要があります。

そして、そのためには、プロジェクトを進めていくための基本となるプロセスについての知識が不可欠になるわけです。

裏返して言うと、自身が内容について詳しくないプロジェクトでも、プロジェクトマネジメントの知識体系(プロジェクトを進めていくプロセス)を正しく知り、実行することで、プロジェクトにおける「プロセス・リーダーシップ」を発揮し、業務を遂行することができるということです。

講演やトレーニングの現場において、昨今、不確実性が高い業務が増加しているという話をよくお聞きします。

マネジャーである自分よりも各専門知識が豊富でベテランのメンバーとともにプロジェクトの遂行していくことが「ミッション」となっているプロジェクトマネジャーには、「プロジェクトマネジメントの知識体系」が、勝負に勝つための第一の「武器」となります。

次回は、第2、第3の武器、人間力や自分の哲学について検討していきます。


前号では、プロジェクトマネジャーの1番目の武器として「プロジェクトマネジメント知識体系」を取り上げました。今回は、2番目の武器、「人間力」について考えてみます。

この「人間力」は、組織が与える事が出来ない影響力、つまり非公式の影響力です。非公式という事は、大きくも小さくも変化するということでもあります。

公式の影響力(権限)を持つ組織上の上長(ラインマネジャー)と違い、プロジェクトマネジャーの公式の影響力(権限)は、必ずしも大きくありません。

人事権まで持っている事はまれですし、また、チームの中には自分よりも組織上でのポジションが高い人が含まれる場合も少なくありません。

そのような状況下において、狩猟型プロジェクトマネジャーの2番目の武器、「人間力」は、プロジェクトを成功に導くための効果的な武器の一つとなります。

ただ、ここでの「人間力」とは、歴史上の著名な人物、例えば西郷隆盛やケネディといった偉人が持っていた人間力とは少しイメージが違うかもしれません。

プロジェクトマネジャーに必要な人間力とは、それほどに大きな物である必要はないのです。

「プロジェクトマネジャーはプロジェクトを成功させる責任がある」という視点から考えると、公式の影響力を補完する影響力としての「人間力」で十分です。

大切なことは、2つの種類の「影響力」があるということをまず認識することです。この点を意識していないで、公式のポジションの公式の影響力だけしか考えないと、チームの反発などがおきやすくなります。

このプロジェクトマネジャーにとって強力な武器となり得る人間力には、

  • リーダーシップ力
  • コミュニケーション力
  • 情熱

といった人間的な様々な要素があります。

これらの要素は、プロジェクトを成功させていく上で重要な要素でもあり、またプロジェクト成功のための武器となるものです。

残念ながら、この非公式の影響力は組織から与えることが出来ません。

ただ、これらの要素は、自身で大きくする事が可能です。

つまり自身で磨くことが出来る「武器」の一つなのです。


前回までは、

  • 武器1「プロジェクトマネジメント知識体系での知的武装」
  • 武器2「人間力」

について取り上げましたが、今回は最後の武器3について述べたいと思います。

最後の武器は「自分の哲学」です。

プロジェクトは決められた通りの業務を遂行すれば、成功できるものではなく、似たように思えても、1つとして同じプロジェクトはありません。そのため、誰かに聞けば、答えが貰える物でもありません。

「さて、これは私の道だ。君たちの道はどこだ?」
私に「道」を聞いた人たちに、私はいつもこう答えてきた。
つまり、道そのものーそんなものはどこにも存在しないのだ」
(ニーチェ、ツアラストラはこう語った)

この不確実性の中で成功に向けて進んでいくには、自分なりの哲学が必要になります。

哲学とは、どれが正しいとか間違っているということではなく、何に価値をおいているのか、何を優先させるのかなど、迷ったときに指針となるものであり、あらゆるプロジェクトを遂行していく上で役立ちます。

そのためには、全てのことを自分の頭で一度分解し、自分の言葉で考え直すことを習慣にすることが大切になります。


狩猟型プロジェクトマネジャーは受け身ではなく、成果を獲得すべく積極的に自ら行動する必要がありますので、思考も受け身ではいけません。常に、「本当にそうなの?」「それしか選択肢はないの?」と考えていくことが大切です。

マネジャー自身もそうですが、メンバーに対しても自分の頭で考える習慣をつけるように日頃から接する事も大切です。

全てのことがらはプラスとマイナスの両方の側面がありますので、必ずある一方の考えに対して逆も考えることができます。例えば、プロジェクトを遂行していく上でリソース(経営資源)を初期から多く投入することはプロジェクトの成功確率を向上させる気がしますが、本当にそうなのでしょうか。

リソースを加える事でのマイナス面を考えますと

  1. 1 関係者の増加に伴いコミュニケーションが複雑になる
  2. 2 人手が多いので誰かがやるだろうという甘えにつながる
  3. 3 工夫やアイデアがあまりでてこなくなる

などあります。

政府の討論会をテレビで見ると、推進者のいう「プラスの面ばかり」と反対者の「マイナス面ばかり」の議論でかみ合いませんが、どちらの面も存在する、または可能性があると認めた上で、重みや優先順位、施策の目的、リスク対策を基に総合的に判断するというプロセスを、ぜひ推進者は取り入れてほしいと思います。


今回は、ホットなニュースを取り上げてみます。

今日(2010/11/22)、柳田法相が辞任を表明しました。

広島での国政報告会で、

「法相は(国会答弁で)二つ覚えておけばいい。

『個別の事案については答えを差しひかえる』
『法と証拠に基づいて適切にやっている』。

何回使ったことか」

と発言したことで野党からの批判があったためです。

国民からも国民は裁判員制度で死刑の判決を迫られるなど真剣に取り組んでいる状況なのに、あまりに軽い発言という怒りの声も多くありました。

おそらく、今回の発言内容は、柳田法相の辞任でもう取り上げられることはないでしょう。しかし、この発言の問題は、柳田法相自身の資質だけの問題と捉えるのではなく、日本の教育の問題と捉える事も大切ではないでしょうか。

発言は日頃、感じたり考えたりしている事、つまり世界観を表すものです。広島でなかば笑いをとるために発言したものかもしれませんが、これは柳田稔氏の価値感、世界観を露見する結果となりました。大臣という国の未来を担う上でも重要なポストの人の世界観があまりに小さく、未来に対する影響等のリスクも考慮できないという事実と同時に、私たち国民は未来に対する日本の不安を感じた事件だと思います。

今回のことは、リーダーとしてのリーダーシップを担う教育がなされていない、つまり今の日本の教育システムが機能していない一つの事象だと私は感じています。立場や身分のエリートは良くないと思いますが、真のリーダー育成のための教育を早い段階から始める必要があると思います。中学校位から、世界の構成、世の中の仕組み、自由と責任、哲学などの質の高い教育を行うことが不可欠でしょう。

平等という言葉で個性を犠牲にしたり、自由ということばで身勝手を許容したりということでは、世界で信頼されませんし、極言すると従属国になる運命しかないようにさえ思えます。

中途半端な今の教育システムから、必要な質の高い知識と思考、創造力を養う教育システムへの変換が早急に必要とされていると思います。


12月14日付のasahi.comにて次のタイトルが目に飛び込みました。

「アルジェリア高速建設、日本側に1千億円超未払い」

またか、という思いで記事を読みました。少し長いですが、記事抜粋します。

「北アフリカのアルジェリアで鹿島など日本の企業連合が受注した高速道路の建設工事をめぐり、完成区間の代金1千億円超が支払われないトラブルが起きている。アルジェリア外相は13日、朝日新聞のインタビューで日本側の対応に不満を表明。工期も大幅にずれ込んでおり、企業側に損失が出る恐れがある。
問題の道路は、アルジェリア公共事業省が発注した「東西高速道路」。鹿島、大成建設、西松建設、ハザマ、伊藤忠商事の共同企業体(JV)が、2006年に東工区(約400キロ)を5400億円で受注した。
関係者によると、東工区のうち約6割は完成。工事が進むごとにJVに代金が支払われるはずだったが、アルジェリア側は構造が契約通りになっていないなどとして、1千億円超を支払っていない」

やっぱりという落胆の気持ちになりました。このような支払いに関するプロジェクトでのトラブルは以前からたびたびありました。

日本人は真面目にきちんと仕事を行います。海外でも同じです。ただ、真面目に一生懸命に仕事をしているのにそれが報われないことがあります。特に、海外では顕著です。それは、戦略的な契約概念の欠如、相手を信頼してしまいがちで悪意に対する防御ができない、国内以上に様々な考慮しないといけないステークホルダー対策を怠る、トラブルに対するなどリスクマネジメントの欠如など、技術力以外のことが原因です。

今回のアルジェリアの件は、支払い条件に関するリスクを考慮した戦略的な契約知識不足ではないかと思います。海外での欧米の企業と比較すると日本企業は「やり遂げる」「お客様に迷惑をかけない」という姿勢は強いですが、途中でプロジェクトを中止しても利益が出来るような戦略的な契約を顧客と結ぶのは得意ではありません。

欧米の企業は、利益が出ないということがあればプロジェクトを中止しますし、かつ赤字にならないようにします。日本がこれから海外で利益を出すプロジェクトを行う上では、今の「やり遂げる」「真面目な」日本人の心意気は強い武器としながらそれと同時に戦略的なリスクを考慮した契約をクールに行うこと、これらの両方が要求されます。


先日、アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)(55)が病気療養のため休職するというニュースで、一時的ではあるが株価が6%強下がるということが起きた。その後、業績が良いという事で持ち直したがそれでも2%下がっている。1人の天才に依存してしまう組織の危うさを感じられた方も多いのではと思う。

難しくても成果をだせる狩猟型プロジェクトマネジャーを、自然に任せるのではなく組織的に育成していくパイプラインを、仕組みとして作り出していくことは、組織の継続的な成長に必要な事であるが、容易ではない。

そのためには、まずは適切な選抜が必要になる。プロジェクトマネジャーとして不適切な人にいくら教育しても、効果はあまりないであろう。人は可能性を秘めているがその可能性は人それぞれである。マネジャーではなく、専門家、サポート役として能力の高い人もいる。全ての人を狩猟型プロジェクトマネジャーに育成することは不可能である。そのためには、プロジェクトマネジャーとしての素養を見極める仕組みが必要になる。それが選抜ということになる。

ただ、ここで難しい点は、適任かどうかの判断である。俳優クラブの採用で不合格だった人があとで俳優として頭角を現すなど、素養を見抜くことの難しさを聞いた事がある。

コンピテンシーなどのモデルで評価する方法もあるが、私の経験からは仕事に対する執着心があるかどうかが一番大切だと思う。どのような仕事でも成功させようとすると難しい。環境や周りのせいにするのは簡単だが、それらを乗り越えていけるかどうかが試金石になるだろう。


エジプトで30年近く独裁を続けたムバラク大統領が辞任した2011年2月11日は現代史の転機になるだろうと言われているが、中国の急成長と民主化問題、日本政治、相撲の混乱など大小様々なニュースをみても大きな変革の予感をさせる事が多い。誰が見ても世界の大きな変革期にあたるのだろう。

そして、テレビでの討論会などを見ても本当に多くの考え方や意見が飛び交い、言い訳や開き直りの多さが際立っている。退屈な映画を見るよりも国会討論などの方が面白い。

プロジェクトの進め方も大きな変革期にあると感じている。それは、いままでの組織と個人の関係の変化、ビジネス環境の急激な変化で過去の知識で運用できる領域が急速に減少しているからである。

では、何が大切になるかというと、様々な知を効果的に統制していくスキルと多様な価値観をまとめていく上で必要な自分の哲学とも言う独自の価値観である。そして他者との効果的な結合も同時に要求されるであろう。さらに、最終的にはアイデアが差別化の要素になると感じている。

これらは、いままでも重要ではあったが、今後は非常に大きな差別化要因になると思う。特にアイデア力(アイデアを生み出す力)は短時間で養成するのは容易ではない。

しかしながら企業は、異質の領域の専門化を組み合わせてアイデアを生み出しやすい環境を作り上げるなどの選択肢がある。

また、アイデア力をじっくり育成していくには小、中、高校で感受性を刺激する新しい教育カリキュラムやそれに対応できる教員を増やすことも大切になると思う。

ちなみに「奇跡の教室」という本で、伝説の灘高国語教師(橋本武さん)が薄い文庫本を3年かけていろいろ深く広く読み解いていくスロウ・リーディングという個性的な授業での効果が紹介されていたが、こういう体感型の知的刺激を広げる方法もいいのだろうと感じた。(東大合格者ゼロの時代から日本一に導き、また日本の多くのリーダーを生み出した伝説の教師の話)


2011年3月11日は日本の大きな変革期として歴史に残るかもしれない。日本の東北地方を破壊した地震と津波は、私たちの今までの価値観を大きく変える事になるような気がする。ブランドやグルメなどというような平和時の言葉が消え、生きるための食料や水のありがたさを毎日感じられずにはいられない。

計画停電で電気が消え、ろうそくなどの明かりで家にいるとなぜか懐かしくほのぼのした感覚がよみがえる。私たちの身の周りで本当に必要なものだけを残すと、そこには暖かい家や食料、水、そして助け合う家族や人々の協力関係が残るのであろう。

私の友人であり尊敬するハロルド・カーズナー博士は「プロジェクトの組織構造がプロジェクト型であれ、マトリックス型であれどのような構造で遂行されても、またプロジェクトマネジメントのプロセスがどのように構築されていても、協力関係が存在しない組織はうまく機能しない」と言われていた。たとえ日本の政府の危機管理システムが十分に機能していなくても、住民同士や都道府県を超えた機関や人々との助け合いなどの協力関係でどうにか今の現状をしのいでいるように感じさせる。

東北地方の新しい形での復興、そして信頼できる原子力発電産業、信頼できる政府、これらの新しい未来に向けての日本復興プロジェクト、これが今からの国を挙げてのそして私たち一人一人の重要なプロジェクトになることだろう。

人にはメンタル・モデルという個人の行動に影響を与える世界観が存在すると言われているが、今回の大災害は私たちのメンタルモデルに影響を与えることになるであろう。

大震災で被災しながらもサポートしあう人たち、放射線でのリスクを乗り越えて責務を全うする消防士たち、自分の家を被災者の方々に提供する人たち、また被災現場で復興のために日夜作業する建築業の方々など、数えきれないほどの日本人が自分の哲学を持って行動している。

法律や決まりやしきたりで行動するのではなく、自分の強い思いを基に行動する姿勢に襟を正される思いがする。狩猟型プロジェクトマネジャーに必要不可欠な「強い思い」をテレビで多く見る事ができる。

自分にできることに集中しながら、復興にも貢献できることを考え行動していきたいと思う。


今年も桜が綺麗な時期になりました。

日本を取り巻く環境は昨年の今頃と比較しますと別の世界のように大きく変化しました。数十年後の歴史の教科書にはどのように書かれるのでしょうか。
世界も日本も現状の延長ではなく、大きく変化するターニングポイントがあるということが実感できる毎日です。

春に咲く花に黄色が多いのは、理由があるそうです。受粉を媒介する昆虫が最も敏感に反応する色が黄色だそうです。夏は昆虫が多いので黄色でなくてもいいので、いろいろな色の花が咲くそうです。私たちがなにげに目にしている、当然と感じている事にも意味があるのだと驚かされます。長い歴史の中で花も自らの色自体も変えてきたのでしょう。

私たちもベストを目指すのではなく、常により良く成長することを目指す事が必要だと思います。現状維持ではなく、常に新しいチャレンジ、取り組みに挑む姿勢が大切なのだと感じます。太陽の塔で有名な岡本太郎は、「難しい方を選ぶことで力がみなぎってくる」と述べておられましたが、私も同感です。

今のターニングポイントが良い方に向かうには、難しいプロジェクトを選択できる狩猟型プロジェクトマネジャーやその同士が必要とされるでしょう。リスクがあるということでプロジェクトに挑戦しなければ、組織の成長が遅くなるばかりでなく、人の精神力まで弱くしてしまう気がします。「リスク」という言葉は、避けるためではなく、コントロールするために存在するものです。

私たちアイシンクは狩猟型プロジェクトマネジャーを志す人の成長を今後も応援していきたいと考えております。
そしてこのことがより良い日本に貢献できることだと信じています。


5月19日の日経に次のタイトルの記事を見つけました。

「多品種少量」の消耗戦、デファクトに背を向けた日本勢
「ガラケー」はなぜ負けたのか

要するに、小さな国内のマーケットで価格破壊の競争に明け暮れている間に、技術的には負けていないのにテレビ電話やおサイフケータイの仕様など世界標準の対応が遅れて海外勢に先を越されているというような内容です。

「同じマーケット内で価格破壊を行うような競争であたふたするのではなく、新しいアイデアや想像力でマーケットを作っていく時代である」とは、私が社会にでた1980年代にしきりに言われていました。なかなか進化しないものです。いまさらという気もしますが、真似をするような開発、政府の旧態然の機能、天下りのシステム、根拠なく国民を欺く安全性神話。もういい加減にしてほしいと叫びたくなります。

これからのプロジェクトは決まったQCDを守ることよりも、新しい付加価値を生み出す創造的な側面をますます要求されてくることは間違いないでしょう。

そういう意味では、不確実性の高いプロジェクトをリードできる狩猟型プロジェクトマネジャーは、与えられたプロジェクトをQCDを守るべく進めるだけではなく、顧客や組織の上部とのコミュニケーションを通して戦略的意図の共有、新しい付加価値を生み出す創造性の追加など戦略的な側面がますます要求されると私は思います。

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