さて、今回もテレワーク絡みの話題です。
前回はテレワークでのストレスとして「孤独になりやすい」ということをお伝えしました。
そのこととも関連しますが、テレワークで失われたものと言えば…
そう、「雑談」です。
会社に行くと、私たちは自然とたくさんの雑談を交わすことになります。
朝の挨拶がてら「ずいぶん日に焼けたね」なんて休日の話題を振ってみたり、給湯スペースで「お子さんの学校はどうなってるんですか」と聞いてみたり、立ち上がって打ち合わせに移動しようとしている人から「今日は○○さんが来客なんですよ」と話しかけられたり…
ちなみに上記は私がお盆明けに出社したある1日で同僚と交わした雑談の一部ですが、テレワークでは3ヵ月経っても交わされないような量の雑談を、たった1日であっという間に交わした気がします。
そうしてその人の顔を見ながら話していると、「あ、そういえばあの件、どうなってるんでしたっけ?」と芋づる式に仕事の話も確認できたりして、メールでいちから書き起こすのとは桁違いのスピードで情報がやりとりされていくのを感じました。
さらにはその話についての口ぶりや表情から、「さてはあの人とモメたな!」とか「あんまりやりたくなさそう…」とか、「こういう作業は好きなんだな~」などなど、言語化されない(でも重要な!)周辺情報が手に入りもします。
こんなふうに一口に雑談とはいえ、そこには仕事のやりとりも分かちがたく含まれてきますし、まだ形になる前の(はっきりとした課題として浮かび上がる前の)段階で広範囲に情報が収集できるのではないでしょうか。
このように、タスクを効率的に進めたければ、実はその土台として雑談が大事だ、ということが言えます。
私たちの日ごろのやりとりは、課題解決(タスク)のためのやりとりと、人間関係の維持(メンテナンス)のためのやりとりに大別できます。
タスクのためのやりとりは、目的があり、時間内に結論を出す必要がありますが、メンテナンスのやりとりは、これといって目的はなく、なにか結論を出す必要もありません。
要するに、何気ないおしゃべりや雑談ですね。
そしてタスクを効果的に遂行するには、メンテナンスで築かれた人間関係が土台として必要です。
うまく機能しているチームは、お互いに関心があり、業務以外の会話も気分よくポンポンと交わされている…というのは想像にかたくないですよね。
現在のところはこれまでの、いわば「コミュニケーション貯金」でうまくいっている面もあるかと思いますが、このままずっとテレワークを続けていけば、いずれ貯金も底をつくことになります。
雑談の機会を意図的に増やして、チームのメンテナンスを図っておくことが、これからも業務をうまく進めていくことにつながると思いますよ!!