PMBOK® Guide 7th Editionは2021年7月に英語版がリリースされ、8月から販売開始されました。
PMI®日本支部によりますと、日本語版のリリース予定は以下の通りです。
- 書籍版:2021年11月
- PDF版 :2021年10月(PMI®日本支部会員向け特典)
https://www.pmi-japan.org/news/info/2021_07_14_pmbok20210714.php
なお、2021年1月2日から新たに適用されている新PMP® 資格試験制度には今回の改定内容は反映されず、そのまま継続されます。
改訂の背景
PMBOK® Guideはこれまで環境の変化を取り込み定期的に改訂されてきています。今回の改訂には「変化スピードの速いグローバル環境の出現」、「新たなビジネス・モデルや変革された組織モデルの出現」と言ったことが背景にあり、大幅に内容の見直しが行われています。
但し、新版のPMBOK® Guide 7th Editionは旧版の6th Editionを否定するものではなく、その構造やコンテンツには価値があり重要性は維持するとの趣旨の記載があります。そのため、新版は上位概念として旧版の考え方にプラスしたガイドに相当するものと考えられます。
全体構成(3部構成)
プロジェクトマネジメント標準
- イントロダクション
- バリュー・デリバリー・システム
- プロジェクトマネジメント・プリンシプル(12個)
→戦略、意思決定、問題解決やステークホルダーの振る舞いをガイドする原理・原則
PMBOK®ガイド
- プロジェクト・パフォーマンス・ドメイン(8個)
→振る舞う際どこに焦点を当てるのか、その領域をガイドするための重要なアクティビティの集合体 - テーラーリング
- モデル、メソッド、アーティファクト
PMI standards + デジタル・コンテンツ・プラットフォーム
改訂の2大ポイント
- 構造 : 「プロセス・ベース」から「プリンシプル・ベース」のアプローチへ!
- 重点 : 「成果物の生成・提供」主体から「バリューの創出・提供」重視へ!
「プロセス・ベース」 → PMBOK® Guide 6th Edition
5個のプロセス群と10個の知識エリアからなる49個のマネジメント・プロセス
「プリンシプル・ベース」 → PMBOK® Guide 7th Edition
12個のプロジェクトマネジメント・プリンシプルと8個のプロジェクト・パフォーマンス・ドメイン
「12個のプロジェクトマネジメント・プリンシプル」
- スチュワードシップ
- チーム
- ステークホルダー
- バリュー
- システム思考
- リーダーシップ
- テーラーリング
- 品質
- 複雑さ
- リスク
- 適応力と復元力
- チェンジ
例:1. スチュワードシップ
熱心で、敬意を払い、気遣うスチュワード (執事)たれ
4. バリュー
ビジネス目標と意図したバリューを継続的に評価しプロジェクトとの整合性を図るよう調整する
「8個のプロジェクトパフォーマンス・ドメイン」
- ステークホルダー
- チーム
- 手法開発とライフサイクル
- 計画
- プロジェクト・ワーク
- デリバリー
- 計測
- 不確実性
例:6. デリバリー
プロジェクトが達成すべきスコープと品質に関するアクティビティと機能を取り扱う領域