皆さんはこの後の人生で「やりたいこと」はありますか?
皆さんも、組織に属していれば、半期ごとや1年ごとに目標面談があり、「どうなりたいか」「やりたいことは何か」と問われることはしばしばありますよね。
でもこの手の質問が苦手だという人は少なくないのではないでしょうか。
「だってやりたいことなんて特にないし…」というのが正直な気持ちかもしれません。
ちなみに私もこの手の質問が子どものころから苦手でした。
「やりたい」とかそういう意欲満々ベースで生きていないぞ、と(笑)
そうなんですよね、このような質問に答えるときは「どんな苦難にもめげずにそれを目指す」という強い意思表示を求められている感じがするんですよね。
でも、私たちの「やりたいこと」とは、そんなに頑健で、ゆるぎないものなのでしょうか。
私は研修のほかに、1対1のコーチングもやっているのですが、その中で「この後の職業人生で目指したいもの」というテーマで話すことがよくあります。
会社の方針や、周囲から期待されるものはあるでしょうが、やはりご本人が目指したいところに向かうのが、最終的には幸せな方向であるのは間違いありません。
ただ、多くの方は「こうなりたい!」とか「こういうことしたい!」というのがはっきりあるわけではありません。
むしろ、少しでも「こうしたいかも」という希望を口にすると、「でも…だし」という、その希望をかき消すような言葉のほうがよほどふんだんに語られます。
「こうしたい」という気持ちは「ない」わけではないのですが、あまりにも現実の「そんなの無理」な理由が強いので、圧倒的劣勢で表に出てきにくいんです。
・たしかにこうなれたら、こういうことができたらいいけど…(ふわふわ)
・でも、自分には能力も不足しているし、忙しくて時間もないし、希望して叶わなかったら辛いし…。(めきめき)
こんなふうに、「こうしたい」という気持ちと、「そんなの無理」という気持ちは、しょっちゅう心の中でバトルをしています。
そして現実は強いので、だいたい負けてしまうわけです。
実はこんなふうに、「やりたいこと」って、すごくすごく「か弱いもの」なのだと思うのです。守ってあげないと、のびのび外に出てくることさえできません。
なので、「やりたいこと」は「いないの?!」とギロギロ睨んで探すというより、「安全だから出ておいで~」と声をかけてあげるものなのではないでしょうか。
どうなりたいかよくわからなくても、「なんかこんな感じ」で構いません。
ご自分だけが見るノートや手帳にイメージを描いてみてください。
「こうなっている」という文章や、その時の自分の姿を絵にしてもいいでしょう。
多分それだけでもドキドキすると思います。こんなこと書いちゃっていいの?!と。
それぐらい「やりたいこと」というのは、表に出てくるのは勇気がいることです。
そうして書けたら「おお、よく出てこれたね!」と拍手を送ってみてください。
自分が「現実」の味方をせず、こちらの味方についてくれるとわかると、「やりたいこと」はイキイキしだして、驚くほどたくましくなってくれるはずです。
「やりたいこと」は「叩いて伸ばす」よりも、「大事に大事に育てる」ことをしてみませんか!