さて、今年も新入社員の方を迎える時期になりました。
先輩諸氏の皆様には、たくさん褒めて自信をつけてあげてほしいところです。
ところで、研修でこのような質問をいただくことがあります。
「若い人を褒めることならしやすいです。でも、私のチームは年上の人ばかりなんです。年上の人を褒めるにはどうしたらいいでしょう?」
たしかに、「〇〇さん、仕事がスピーディでいいですね!」など、目上の人に向かってはちょっと言いにくいですよね。
そんなとき、「褒める」に代わる表現があります。
ぜひ「驚いて」ください!
「ええ~、もう仕上げてくださったんですか!」など言いつつ、目を大きく見開いてみてください。
驚くというのは、見慣れないものに引きつけられている状態です。
目を大きく見開いて注視したいぐらい、心揺さぶられているという証なのです。
え? ちょっとわざとらしい? それではこれでもいいですよ。
「すごいな~」とポロっとつぶやくんです。
これなら褒められベタで、面と向かって言われると「別に…」などゴニョゴニョ返してしまう人も、心中嬉しく思いながらじっくり受け止められるでしょう。
また言われた本人だけではなく、周りの人も「えっ、なにがすごいの?!」とひそかに聞き耳を立てたりしています。
なんならその場に本人がいなくても、周りの人がその言葉を覚えていて、あとで「○○さんがこれすごいねって驚いていたよ!」と言ってくれるかもしれません。
こんなふうに「驚く」というのは、間接的にその人を褒めることにつながります。
「褒める」と思うとハードルが上がりますが、「驚けばよい」と思えばずいぶんやりやすくなりませんか。
実は「褒められない人」というのは、「何を見ても驚かない人」です。
何を見せられても「ふ~ん、でもこれぐらい普通じゃない?」と冷ややかに受け止めてしまえば、褒めるべきところなど見つからないですよね。
このように「驚くことができる」というのは一つの能力です。
褒め上手になるために、まずはどんどん「びっくりしちゃう」人になりましょう!