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ホームアイシンクインフォメーション第25回:上位マネジメントの巻き込み術

第25回:上位マネジメントの巻き込み術

できるプロマネの仕事術 2022.06.24

●はじめに

アメリカのIT調査会社であるStandish Groupのカオスレポートによると、プロジェクトの成功要素(いわゆるCritical Success Factor)について、世界のIT経営者にアンケートを実施したところ、プロジェクトの成功要件として重要なのは、「顧客の関与」と「上位マネジメントの巻き込み」でした。「顧客の関与」については、別の回で説明するとして、今回は、この「上位マネジメントの巻き込み」について、話を進めていきます。

●上位マネジメントの巻き込み術

上位マネジメントをうまくプロジェクトに巻き込む(プロジェクトに積極的に関与してもらう)やりかたについて、小生の経験からいくつか具体的な方法やプロセスをお話したいと思います。

プロジェクトでは、プロマネや、チームだけでは、解決できない問題・課題が発生します。そのような場合、上位マネジメントの支援がかかせません。例えば、顧客Topとの交渉や、顧客の追加要求に対するコスト・要員の追加などは、プロマネの権限では実行できません。上位マネジメントを巻き込む重要なポイントは、プロマネが、積極的に上位マネジメントを巻き込んでいく行動が必要です。「巻き込み術」として、小生は下記のような3つの行動やプロセスをプロジェクトで実践しました。

1.巻き込み術1:ステアリング・コミッティ

ステアリング・コミッティは、マネジメント層(役員、スポンサー、プロマネ等)から構成される委員会です。プロマネは、プロジェクトで発生した課題・問題に対して、この委員会に挙げて、組織としての判断を仰ぎます。例えば、お客様から新たな要求があった場合、この委員会に上げて、要求を組織として対応するかどうかの判断を仰ぐことになります。

2.巻き込み術2:エスカレーション

現場で解決できない問題に対して、上位マネジメントにエスカレーションして、支援を要求します。PMの非公式な権限ですが、プロジェクト成功のためにプロマネが持っている重要な武器の一つです。また、エスカレーションを迅速に行うためには、予め、エスカレーションプロセスを決めておくことも効果的です。

3.巻き込み術3:キックオフミーティング

プロジェクトの最初の公式な会議は、キックオフミーティングです。小生は、この会議に、プロジェクトのスポンサー(役員)に出席してもらうように段取りしました。このことにより、スポンサーとの信頼関係が醸成され、プロジェクト遂行中、スポンサーの支援がより受けやすくなるメリットがあります。

このようなプロセスや行動を実施することにより、「上位マネジメントを積極的に巻き込む」ことが、プロジェクトの成功確率を高めることになります。

Tip of the day
●上位マネジメントを巻き込むことは、プロジェクトの Critical Success Factor(成功要因)である
●現場で解決できない問題に対しては、早期に上位マネジメントを巻き込んで解決をはかる

あらゆるお客様の「プロジェクトの成功」をサポートしていくことが、
アイシンクの最大の使命と考えております。

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