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ホームアイシンクインフォメーション第26回:変更管理がプロジェクトの成否を決める

第26回:変更管理がプロジェクトの成否を決める

できるプロマネの仕事術 2022.08.24

●はじめに

システム開発のプロジェクトにおいて仕様変更は、プロジェクト期間中、必ず発生するものであり、変更への対応の良し悪しがプロジェクトの成否を分けると言っても過言ではありません。要件定義で、お客様と要求仕様について合意したとしても、その後のフェーズで仕様追加や変更は必ず発生します。今回は、この仕様変更について、プロジェクトを成功に導くためのプロセスや対応策について、話を進めていきます。

●仕様変更に対する3つの対応策

1.仕様変更の判断基準となるベースラインの明確化

要件定義書に書かれた内容を仕様ベースラインとして考えて、変更要求が発生した時、どこまでが元々の要求仕様であり、どこからが仕様変更なのかの判断が曖昧になりがちです。そこで、基本的には、お客様と合意した要件定義書に書かれていることを仕様変更のベースラインとして設定します。逆に言うと、開発スコープやコストに影響を与える仕様変更を切り分けられるような粒度で、要件定義書を記載しておく必要があると言うことです。小生が、大学病院の電子カルテシステムを担当した時、要求仕様が曖昧で、「in scope」なのか、「out of scope」なのかの切り分けが困難でした。

2.仕様変更発生時の対応方法の明確化

変更管理プロセスをあらかじめ決めてお客様と合意しておくとこが必要です。変更が発生した場合は、この合意された変更管理プロセスに従って変更をマネジメントすることができます。このプロセスで重要なことは、インパクト分析です。変更に対してQCDのインパクトと新たなリスクが発生しないかを分析することが重要になります。ITシステム開発では、契約書に、変更管理プロセスを定義する場合もあります。

3.仕様変更に伴うリスクマネジメント

仕様変更が多発すると、プロジェクトの納期や品質に大きな影響を与えるので、リスク対応策やコンティンジェンシー計画を検討しておくことも重要です。

●変更管理プロセスの進め方

変更管理の基本的なステップは下記の通りです。

  1. 変更管理手順をお客様と決めて合意する
    変更管理手順書を作成してお客さまと合意する。

  2. 変更が発生した場合は、インパクト分析を行う
    プロジェクトチームで、QCDへのインパクトと新たなRiskが発生しないかを検討する。

  3. 変更管理委員会で、変更を実施するかどうかを最終決定する
    上位マネジメント(役員やスポンサー)から構成される変更管理委員会でインパクト分析の結果に基づいて検討し、最終決定する。小生は、あるプロジェクトでお客様との合同変更管理委員会を設置して、変更に関して、お客様と一緒に検討して、変更の可否を迅速に決定して、プロジェクト成功を達成することが出来ました。

Tip of the day
●仕様変更は必ず起きると考え、予め、変更管理委員会を設置して、マネジメントすることがプロジェクト成功にとって重要
●仕様変更に伴うリスク分析を行い、事前に対応策を検討する

あらゆるお客様の「プロジェクトの成功」をサポートしていくことが、
アイシンクの最大の使命と考えております。

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