さて、最近ミディエーションを研修でお伝えする機会が続き、「やっぱりPMの皆さんと相性がいいなぁ」と改めて感じたので、今回はこのミディエーションについて紹介してみたいと思います。
ミディエーションとは、二者間の争いごとを、第三者の仲介者(ミディエーター)が援助しながら、当事者同士で話し合って解決策を見出していく方法です。
プロジェクトではメンバー間で作業分担について押しつけ合いが生じたり、プロジェクト方針について意見が割れてしまったり、部門同士の利害関係から対立が起きてしまったり・・・と、揉めることはしばしばですよね。
そんなとき、「仕方がないのでPMの自分が決めてしまう」とか「どうにも収集つかないので、上層部に意思決定を委ねてしまう」など、問題解決の責任を当事者よりも上に預けてしまうことは多いでしょう。
ただその場合、揉めていた当事者同士が話し合って結論を出したわけではないので、本当に満足してその結論を受け入れているわけではなく、「上が言うから仕方ない」というしぶしぶした形になってしまいます。
なにより、お互いが協力しあって解決したわけではないので、両者の間にしこりやギクシャクした空気は変わらず残ってしまいます。
そしてしばらくすると、テーマを少し変えてまたコンフリクトが再燃・・・。
そこでミディエーターが間に立って、形ばかりの解決ではなく、ちゃんと「仲直り」して、当事者同士で解決策を導き出せるように対話の橋渡しをするわけです。
仕事はお互い真剣だからこそ、譲れない何かや、傷つけられたくない思いがあるものです。そこをお互いの耳に入るようにしてあげると、対立から共感へシフトできるのです。
皆さんもプロジェクトで問題が持ち上がると、そっぽを向いた二人から、「PMが決めてくださいよ」と責任を自分に預けられてしまって困った経験があるのではないでしょうか。
そんなときに、「私が決めることもできるけれど、話し合って二人で解決してみないか。そのほうがこれからお互いに協力しあえると思う。私はそのサポートをするよ」と言えたらいいですよね。
ミディエーションがこれからPMの皆さんの必須スキルになる日もいずれくるかもしれません。引き続きこのコラムでもご紹介していきます!