●はじめに
プロジェクト成功のためには、プロジェクトメンバーが、自発的・自律的に行動し、メンバー・リーダーシップを発揮して、outcome(成果)を出すことが必要不可欠です。指示待ち組では、プロジェクトの成功は期待できません。教育心理学の用語として「ピグマリオン効果」という言葉があります。今回は、この「ピグマリオン効果」を活用して、プロジェクトメンバーたちをその気にさせる方法について説明したいと思います。
●ピグマリオン効果とは?
ピグマリオン効果とは、誰かの期待に応えようとする姿勢が成果につながるという考え方のことです。上司と部下のコミュニケーションの円滑化や高いモチベーションを維持できる部下の育成を目的に実施されます。
ピグマリオン効果については、人間は期待された通りに成果を出す傾向があることの現れとされ、1964年にアメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱されました。
●ピグマリオン効果を活用して、メンバーのヤル気を引き出す3つの具体的な方法
プロジェクト遂行時に、小生が、ピグマリオン効果を実践した具体的な3つの行動について紹介します。
1.1 on 1
アメリカのシリコンバレーのベンチャー企業が開発したメンバーのヤル気を引き出す方法です。メンバーと1対1で向き合い、仕事上の悩みについて、カウンセリングしたり、仕事のやり方について、コーチング等を行います。小生は、1回/月くらいの頻度で、1 on 1を実施して、メンバーのヤル気を引き出すようにしていました。
2.エンパワメント(権限移譲+フォロワーシップ)
ヤル気を引き出すためには、権限委譲も効果的な方法ですが、その後の相談や、指導についても、継続的に行い、メンバーとコミュニケーションしていくことも効果的です。任せるだけでなく、そのあとのフォローも肝要です。
3.ストレッチした目標設定
少し努力をしないと達成できない課題を与えて、メンバーの育成やヤル気を引きだす方法です。簡単な目標では、メンバーの成長は期待できません。また、どんなに努力しても、到達できない目標では、逆に、ヤル気を失くすことになります。その中間くらいの目標設定をして、チャレンジしてもらうことが効果的です。
●プロマネは演出家になろう
プロジェクトを成功させるためには、何か画期的な方法があるわけではなく、意図をもってあの手この手を使って我慢強く演出し続けるという感覚が必要です!
Tip of the day
●ピグマリオン効果を実践で活用して、メンバーのヤル気や成長を促し、プロジェクトを成功させよう!