私たちはときどき、誰かの怒りが爆発した瞬間に出くわして「ええっ!」と驚くことがありますよね。
「確かに私のしたことで不快な気持ちにはさせたかも…。でもそこまで怒ること?」と釈然としない気持ちでいっぱいになったことがあるのではないでしょうか。
実はその人が怒りを爆発させているとき、きっかけとなった出来事以前に、すでに怒りは始まっていることも多いのです。
先日、私が図書館に行ったときのことです。利用者の人が、図書館のスタッフさんに大きな声で怒りだしたのです。
何に怒っているのか耳をそばだてていたのですが、正直「うーん、何もそんなことで、そんなに大きな声で怒らなくてもいいのに」と思ってしまう内容でした。
司書さんも必死になって謝っていて、見ている側としてはいたたまれません。その利用者さんが去った後、他の利用者さんが「気にしないようにね」と声をかけていたほどでした。
私もその司書さんにそう言ってあげたかったと感じます。きっとその司書さんは、「私の何がそんなに悪かったのだろう・・・」とそのときの対応について、あれこれたくさん考えて苦しまれることでしょう。
ただ、いくら考えてもおそらくスッキリと腑に落ちる答えは得られないのではと思います。
というのも、「怒り」の感情は「持ち越され」やすいのです。
怒りは0%、40%、80%・・・というように段階があるものです。
そして、怒りはある状況でうまく解消されないと、次の状況まで持ち越されやすいのです。
つまり、1回のその出来事で、いきなり0%から100%に変化したわけではなく、別の理由で怒りを覚えていて、すでに40~80%ぐらいにいるのです。
そして怒りを向けられる相手を無意識に探しており、「怒ってもいい相手」を見つけると怒るわけです。
ですので、たまたま爆発するトリガーを引いてしまった人にとっては、「なんでここまで?!」という不可解な思いと共に、まるっきり関与していないわけでもないので無視することもできず・・・という苦しい状況に立たされてしまうわけです。
その人が怒る理由にはもっともな部分もありますが、その人が怒っている責任を、ぶつけられた人が全て引き受けなければいけないわけでもありません。
もしもタイミング悪くそのような目に今後遭ってしまったときは、「この人が怒っているのは、『このせい』だけではないのかも?」と考えてみるようにしてみてくださいね!