皆さんは「まとまらない」会議にお困りのことでしょうが、実は「まとまりすぎる」会議にも問題があります。
昨日、「日本で一番悪い奴ら」という映画をDVDで観ました。
主人公はもともと素朴な警察官だったのに、犯罪を検挙するためにどんどん違法行為に手を染めてしまい、最終的に大変「悪い奴」になってしまうという話で、ちょっとアウトローな映画が好きな私にはぴったりでした。
その中に、捜査方針を決める会議の中で、大勢の関係者がいるにも関わらず、みんなで「違法捜査をやるしかない」と決まっていくシーンがあります。銃器の密売を押さえるために、大量の覚せい剤密売をまずやらせてしまおう、という驚くべき決定です。
これはまさに「グループシンク」が生じている場面だなぁと感じました。
「グループシンク(集団浅慮)」とは、グループで意思決定するときに、グループが一致団結することに重きが置かれてしまい、異論や反論が出しにくい空気となり、安易な結論に飛びついてしまうことを言います。
その結論を他の人に聞かせたらとても支持できないアイデアだったり、あとから冷静に考えれば「まずい」採択をしてしまうのです。
私たちの現場の会議でも、「なんでたくさん人が集まって、こんな結論になっちゃったわけ?」ということがしばしば生じますよね。
グループシンクが生じやすい条件には以下のようなものがあります。
- メンバーの凝集性が高い(外部との交流がなく、似通ったメンバーで、長く同じ活動をする)
- 外的な圧力がある(成果を上げなければならないプレッシャー)
- リーダーが公平なリーダーシップに欠ける
このグループシンクを防ぐには、「本当にそれでいいんですか?」という異論を出すこと、そして異論に耳を傾けることが必要です。
映画でも、若い警察官が「それってまずくないんですか」ということを言いますが、その意見は周りから黙殺されてしまいます。
こう思うと、みんなが言いたいことを言い合っている会議がずいぶんマシに思えてきますね。
異論や反論を「口にする勇気」「受け止めて立ち止まる勇気」を持ちたいですね!