プロジェクトは人間の人生と同じです。目標達成のためには、プロジェクトが発足してから、消滅するまでの計画が必要です。計画がないと、無駄な作業や突発的な作業、また仕事の手戻りが発生して、目標達成が困難になります。
「計画を作成する時間がない」「計画を作成しても、後で煩雑に変わるので意味がない」「納期が厳しいので早々に開発に着手したい」というプロマネの声を聞くことがありますが、プロジェクト計画書を書くことが目的ではなく、計画書を作成するプロセスを通して、プロジェクトを成功させるための方針や戦略を立てることが重要なのです。いわゆるプロジェクト成功のBlueprintを作成するのです。
不確実性が高い場合でも、最初はラフでよいので計画を作成して、メンバーを含めたステークホルダーと共有することが肝要です。「段取り八分」の精神ですね。プロジェクトが進行して、プロジェクト情報が増えれば、ローリング・ウエーブ計画技法により計画を段階的に詳細化していきます。
プロジェクト計画書はプロジェクト成功に向けたプロマネの武器でありバイブルとなります。
アメリカの経営コンサルタントのコヴィー博士は、世界的ベストセラーとなった著書「7つの習慣」の中で、仕事の優先順位を優先順位=緊急度X重要性の2次元マトリックスで4つの領域に分けています。プロジェクト活動においても、緊急でない仕事は後回しになりがちですが、緊急ではないが重要な仕事として「準備や計画作成」は、突発的な作業や仕事の手戻りを削減してくれる活動であり、仕事の質や結果を著しく向上させる活動であると強調しています。
「急がば回れ」という言葉がありますが、多少の手間や時間がかかる回り道であっても本道を行くほうが、結局は早く目的地に着くということです。
プロジェクトマネジメントの世界的なデファクト・スタンダードであるPMBOK®ガイド(V6ベース)には、プロジェクトマネジメントサイクルとして49個のプロセスが定義されていますが、そのうち24個が計画のプロセスです。
計画がなければ、プロジェクトを適切に管理できないことを示唆しています。
プロジェクト計画を作成して、プロジェクトの成功確率を向上させましょう。
★Tip of the day
・計画を完璧にしようとしない。存在することが重要
・「計画がないのは、失敗を計画していることになる」