自分でいまだに「うまくないな~」と思うのが「褒められること」です。
ダンス系が好きな私は、社交ダンスはもともとやっているのですが、最近になって「大人のはじめてのバレエ」に挑戦しています。
そのバレエ教室で、レッスン後の片付け中に、同じクラスの参加者に「褒めてもらう」ことがありました。
初めて会話を交わした若い女性から「とても足が高く上がりますね!」と言ってもらえたのです。
ところが初めての会話でちょっとドキドキしていたのもあって「え~と、まあ、そうかも…。でもバレエの細かい動きは全然ダメで、覚えられなくって!」と返してしまいました。
さらに会話が続き、社交ダンスもやっていることが話題になったとき、その方が「社交ダンスもやっているんですか!すごーい!」と言ってくれたのに、またまた私は「ええ、でも最近はあまり練習していなくって、ちっとも踊れなくなっちゃってて…」と再びのネガティブ反応…。
その方は「いやいや、一度学んだスキルは忘れないっていいますし…」とフォローしてくれたのですが、その辺りで私は「ああ~、せっかく褒めてくれてるのに~! (しかも自分より10歳以上若そうな人に、自分より断然大人なフォローをさせてしまって、ばか~!)」と内心赤面でした。
せっかく褒めてくれたり、好意的な関心を示してくれているのに、ついつい上がってしまったり、ソワソワしてしまって、トーンダウンするような方向に話を持っていってしまうことが多いのです。
「わかるよ…」と言ってくれる方も多いのではないでしょうか。
このパターンは長年染みついたクセのようなものです。
子どもの頃に「○○ちゃん、えらいね~」と近所の人が褒めてくれたとき、隣にいた親がすかさず「いえいえ、うちの子なんて、普段は全然手伝いもしないで…」と褒め言葉を打ち消してしまったような振る舞いを、私たちは自らやってしまうのです。
たとえ褒められても「大したことありません」「まだまだです」と謙虚さと不足を示し、自分を「これでOK!」と肯定的に見なさないのが、よしとされてきたやり方だからです。
ただ、これではせっかく褒めたいと思ってくれた相手の気持ちをかき消してしまいますし、何より自分自身をいつまでたっても認められず、空しいような気がしませんか。
そこで、褒め言葉はぜひ「受け取る」ようにしてみましょう。
どぎまぎしたり、ソワソワした気持ちはそのまま味わって、少しだけ大人の言葉を添えてみましょう。
「本当? うまくできてたなら嬉しいな」
「そうなの。とっても面白いのよ」
「ありがとうございます。そういってもらえるとすごく励みになります」
「嬉しいな。自分でもよくできたなって思ってたんだ」
などなど。
こうして感じたことを言葉にして表現すると、褒め言葉をまっすぐ受け止めることができます。
こう返してもらえれば、褒めたほうも「また伝えたい」と思えますよね。
自分の中にもストンと言葉が入ってきて、心がポッと温まります。
これは一つのスキルですから、褒めてもらったときはチャンス!と思ってぜひ「練習」してみてください。
そうして一緒に「受け取り上手」を目指しましょう!