年が明けるとすぐに、花粉症がそろそろ気になる方は多いですよね。ところでこの花粉症は、本来は外敵から身を守るはずの身体の仕組みが、過剰に働いてしまった「アレルギー反応」の結果であることをご存知の方も少なくないはず。実は、ストレスによるいろいろな体への症状も、このアレルギー反応と似た仕組みなのです。
「ストレス」と一般に言いますが、ストレスはその原因となる「ストレッサー」とそのリアクションである「ストレス反応」にわけられます。
このストレス反応は、実は身体が持っている「生体防御システム」でもあります。
たとえば皆さんはプレゼンや手ごわいお客様との打ち合わせなど、緊張が高まる場面では体にどんな変化が起きますか?
例えば…
- ドキドキ、ハアハアする
- 手が冷たくなる
- 手の平にベタベタした汗をかく
- 口の中が渇く
このような体の変化を経験されたことがあるのではないでしょうか。
これが私たちの体が起こす「ストレス反応」です。
ではなぜこれが「生体防御システム」なのか?!
それは、人間を原始の時代に移せば理解できることなのです。
私たちがまだ捕食される立場だったころ、肉食動物との遭遇が一番の緊急事態でした。不安と恐怖にかられる出来事=ストレッサーとの直面です。
さあ、そんな緊急事態に私たちはどうしますか?
「闘う」か「逃げる」かしますよね。
そんなとき、体に以下のような変化を起こすことが必須だったわけです。
- ドキドキ、ハアハアする(心拍数・呼吸数の増加)
→血液(酸素)を多く循環させすばやく行動するため - 手が冷たくなる(手足の皮膚の毛細血管の収縮)
→敵と闘ったとき、一番ケガしやすい手足からの出血を最小限に防ぐため - 手の平にベタベタした汗をかく
→木の枝を伝って逃げるときに滑らないようにするため - 口の中が渇く(唾液と粘液量の制限)
→肺への気道を広げ、またこの場面で重要でない「消化」のエネルギーを後回しにする
いかがですか。
ストレス反応は私たちが外敵から身を守るため、とてもうまくできているシステムであることがわかりますね。
ただし、現代人の私たちにとっては、このシステムがうまく機能しているかというとそうではありません。むしろ「体に負荷をかける」マイナスの反応にさえなっているわけです。
現代の働く人にとって、不安や緊張が高まる出来事は例えば「仕事の納期」だったり、「人間関係でのトラブル」など、緊急の出来事というよりは、長く緩慢に続く出来事であることが多いですね。
そのような緊張状態(ストレス反応)が長く続くことで、心臓疾患や胃潰瘍といった病気を引き起こす一端ともなりえます。
ストレス反応は、アレルギー反応と同じ、本来は生体防御システムでしたが、現代人のストレッサーには適さず、かえって私たちの体を損なってゆく「もろ刃の剣」であるのです。
さあ、このようなわけで、日々多くのストレッサーを引き受けているプロマネのみなさんは、緊張状態に傾きがちで、知らずのうちに心身にダメージを蓄積しているかもしれません。元気に活躍しつづけるためには、ストレスマネジメントのスキルが重要になってきます。
そのスキルご紹介は、また次回のお楽しみに!