もうすぐ夏休みというこの季節、夏の予定に心を躍らせていらっしゃるのではないでしょうか。
ところで、たまの旅行やレジャーはなぜ楽しいのでしょうか?
初めての場所や初めての体験だったらなおさらですね。
それは、「今ここ」の経験に、私たちが集中するからです。
そのときにその場所で起きることをくまなくキャッチしようと私たちはあらん限りの力で集中するからなのです。
仕事でも、目の前のことにグーッと集中できたときは、思いもよらず充実した感覚を得られますよね。いつもは遅々として進まない時計が、今日は気づけば5時だわ、という体験をされたりするでしょう。
逆に、ストレスがかかると私たちは目の前のことに集中しにくくなります。
例えば納期直前でまだまだやることがたくさん残っているというような状況では、あなたはどのようになりますか?あちらに手をつけてはやっぱりこちらに手をつけて…と、一つのことに集中できなくなったりしませんか?
または通勤電車の中で「昨日の○○さんへの連絡、ミスったかなぁ」とか「今日は明日のプレゼンの用意をしなきゃ…ああ心配」などと、いま目の前で起きていないことに頭が占められていますね。そういうときに限って急いでいるのに電車を乗り間違えたりという失敗も起こしてしまいます。
このように「過去」の失敗を悔やんだり、「未来」のことを憂いたり…と「今ここ」に目が向いていない時間、つまり「心ここにあらず」の状態は、現在がおろそかになり、充実感や満足感とほど遠いものになるわけです。
ほかにも下記のような点に、思い当たることはありませんか?
- 食事はあっという間に済ませてしまう(味わうことなく食べ終える)
- ボーッとしていてモノをこぼしたり、モノにぶつかったりしてしまう
- 自分がやっていることをほとんど意識しないままに、習慣化してやっている
- 何を食べているのか意識することなく間食をすることがある
これらは全て、「今ここ」の体験に注意を払っていないためです。これらの「心ここにあらず」状態を「自動操縦状態」と呼んでいますが、物事のスピードが速く、やるべきことに追われまくっている現代の私たちはこういった状態に陥ることが習い性になっています。
そこでぜひ、1日のうちに5分でも、目の前のことに集中して味わいきる時間を作ってみましょう。一番お勧めなのは、食事の時間です。
最初の一口目、白いご飯をじっくり噛んで味わってみてください。お米の甘みや歯ごたえ、自分の唾液が出る感覚、舌の動き…そこに詰まっている感覚を全てキャッチしてみてください。
このような体験を、「マインドフルネス瞑想法」として、ストレスマネジメント講座ではレーズンを使って実施しています。
そして夏の休暇はぜひお仕事のことは頭からすっぱり切り離して、そのときそのときの体験を充分味わってきてくださいね!