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第13回:一年間の「ありがとう」を伝えよう 

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今年もあと少しですね。みなさん、一年間本当にお疲れ様でした。

私は講座でいろいろな方に出会うチャンスに恵まれていますが、お会いする全ての方が、それぞれの現場でものすごく頑張っていらっしゃり、いつも尊敬の念を抱いてしまいます。

だからこそ、皆さんがその頑張りに見合うぐらい、「ありがとう、○○さんのおかげで助かったよ!」とねぎらってもらえているかな…と気になってしまいます。

自分の頑張りを認めてもらえると、私たちは「よーし、また次も頑張ろう」という気になりますね。

これを心理学では「強化」が起きたと考えます。良い結果をもたらす場合は、その行動は「強化」される、つまりよく行うようになり、良い結果をもたらさない行動は「弱化」あるいは「消去」される、つまり行われなくなる、と考えるのです。

たとえば5キロのダイエットに成功して「体調が良くなった」「周りから褒められた」という経験をした人は、当然ダイエットを続け、「お腹がすいて効率が落ちた」「周りに気づいてもらえなかった」という経験をした人はダイエットを止めてしまうことが考えられます。

私たちの行動は、その結果に影響を受けるということですね。このように経験によって新しい行動が身についたり、変化したりすることを心理学では「学習」と呼びます。

意志だけではなく、私たちの行動をつくる仕組みは「学習」に基づいているよ、というわけです。

さて、ここで、認められることは人間にとって「快」か「不快」かといったら…?

当然「快」ですね。人間は承認欲求を持っており、これを満たされることは社会的な生き物である人間にとって非常に大事なことです。

よく「褒めると慢心して、努力しなくなるのでは」という考えも聞かれますが、そんなことはないわけです。

だって、頑張った結果「快」を生んだなら、私たちはまた「快」を得ようとして頑張るわけですから。むしろ、頑張った結果が「誰からも認めてもらえない」という快を得られない結果に終わった場合こそ、私たちはその行動を取らなくなるのです。

さらに上のレベルを期待するのであれば、「今年はよくがんばったね。来年は○○の面での活躍も期待しているよ!」と伝えてみるのも手ですね。

もちろん、人間は外側からの刺激に反応しているだけの存在ではなく、自分がやりたいからやるのだ、といった内発的な動機づけもあり、この学習理論だけで人間の行動の全てに説明がつくわけではもちろんありません。

ただ、労われて嬉しいのは誰しも同じ。
「○○さんのおかげで今年も乗り切れたよ、ありがとう!」と言われれば、一年間の疲れも吹き飛ぶというものです。

さあ、忘年会や年末の挨拶はいいチャンスです。ぜひ職場の仲間に、感謝の言葉を伝えてみてください!

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