いよいよ新年度がスタートしましたね!
新しいメンバーを迎えたり、新しいプロジェクトがスタートしたりと、気持ちも新たにお仕事に取り組まれていることと思います。
さて、今回は「言い換え」の効用についてお話ししてみたいと思います。
例えば先日のストレスマネジメント講座での話です。
この講座では、ストレスにより心身の不調に陥ったメンバーへの対応方法を、受講生が身近に経験したケースをお互いにシェアすることで学び合う時間があります。
ここでは特に、管理職の皆さんには「ストレスサインに気づく」大事さに気づいてほしいところなのですね。
ところが、受講生の一人が困り顔でこんなふうに話していました。
「客先とか、一人きりで作業をしてるメンバーはどうなってるか気づけなくてさ~」
グループの他の人も「うんうん」とうなずいています。
言うならば、「サインには気づきたいけど気づける状況にないのだ」という訴えですね。
しかし、このままその話し合いの流れを放置してしまっては「だから無理」ということを確認して終わってしまいかねません。
そんなとき、講師としてはすかさず「言い換え」の出番です。
「なるほど、一人きりで作業する人は、どうなっているか気づきにくいからこそ、よりケアを重点的に行ってあげなきゃなんですね~」
ここでのポイントは、さも、相手の言った通りに繰り返しているだけのように言うことです(笑)。
するとその人はハッとなった表情で、「そう、たまに顔を合わせるときによく話を聴いてあげなきゃなんだよね~」と続けておっしゃってくださったのです。
こんなふうに、「うまくいかない」という“プロブレムトーク”の中には、あともう一歩背中を押せば「解決」につながることが、たくさん転がっているのです。
例えばこんなふうです。
「お客さんがいちいち細かいところまで口出してくるから本当にやりにくいよ」
→「お客さんに信頼してもらえて全部任せてもらえるようになりたいんですね」
「うちの会社のミーティングはレベルが低すぎる」
→「ミーティングのレベルを上げたいと考えているのですね」
こんなふうに、「愚痴」を「希望」へと言い換えるだけで、
「そうだ、信頼してもらえるにはどうしたらいいんだろう」
「ミーティングのレベルを上げるには何ができるか」
など、とたんに「解決」に向かって思考が動き出してきませんか。
愚痴をそのままにせず、裏返して言語化することで、「解決」へと橋渡しができ、建設的なステップを考えることへとつなげられるのです。
ちょっとした「言い換え」をするだけで、事態は「解決」に向けて転がり出します。
ぜひ新しい時期にふさわしく、新しい言葉の使い方を身につけてみてくださいね!