交流分析には「ゲーム」という考え方があります。
私たちが周りの人との交流で繰り広げているある種のパターンで、無意識に、繰り返し行っているものです。
ゲームの特徴は、「最後にイヤな感じ」を味わって終わるというものです。
例えば・・・
1.最初は穏やかさを心がけているのに、すぐに相手を「あそこがダメここがダメ」と批判するようになってしまい、最後は相手から「もうムリ」と拒絶されてショックを受ける
2.困っている相手を助けてあげたくて親身になって相談にのり、あれこれ助言をするものの全く受け入れられず、「もういいですありがとう」と言われて最後は無力感を覚える
3.最初は「この人はまさに求めていた人だ!」と惚れこむが、いざ身近な存在になって落ち度や失敗を目にすると「やっぱりこの人もダメだな」とがっかりし、遠ざけてしまう
など、誰でも少しは身に覚えがあるのではないでしょうか。
「またこうなってしまった…」と感じ、「次こそは」と思うものの、やっぱり相手を変え、状況を変え、同じパターンを繰り返してしまう。
困りましたね。できればこの不毛なパターンを変えていきたいものです。
ゲームへの対処はいくつかあるのですが、まず一つはこれです。
それは「ゲームが始まろうとしていることに気づくこと」。
ゲームには段階があり、最初はゲームへの「仕掛け」があるのです。
それは
「またやっちゃいました…」と毎度毎度失敗を重ねる部下の報告かもしれません。
「なんとかしてください!」と言って持ちかけられた相談かもしれません。
「全てを解決してくれそう」と思えるスーパー上司の登場かもしれません。
ここで何か「弱み」を持っている人はゲームに乗ってしまいます。
それは「なんとか相手を一人前にしてあげなきゃ!」という親心や、「助けてあげたい!」という優しさの場合だってあります。
さて、いつものように叱責や親切に駆り立てられそうになったとき、
「あれ、これって例の『ゲーム』ってやつじゃない?」とゲームの入り口に立っていることに気づければしめたもの。
「ゲームの始まりに気づくことができた自分、えらい!」と褒めてあげてください。
そしてこのゲームは「パターン」ですから、パターンを変える一手を打ってみましょう。
普段なら言わなそうなこと、取らなそうな態度を取ってみるのです。
1.「なんで同じことを繰り返すんだ!」と叱責する代わりに、「今、どんなつもりで私に報告したの?」と聞いてみる
2.「こうしてみたら?」と親切にするのではなく、「困ってるみたいだね。それについて私に何をしてほしいのかな?」と少し距離を取った対応をする
3.相手にあらゆる期待をして全てを解決してもらおうとせず、「ま、自分の面倒は自分で見ればいいか」と考えて、相手の自由にさせてあげる
そうするとゲームの深みにはまらずに、うまく楽しめるようになるかもしれません。
ゲームに気づいたら違うパターンを試すこと、ぜひやってみてくださいね!