さて皆さんは、職場では部下や同僚、上司に対して、家庭ではパートナーや子どもに対して、「ほめる、励ます、感謝する」といったポジティブな発言と、「否定する、批判する、皮肉を言う」といったネガティブな発言をどのくらいの比率で口にしているでしょうか。
「そんな調子のいいことばかり言えないよ」とか、「自分、不器用で…」ということで、周囲の人にポジティブな言葉かけをすることを苦手としている人も多いでしょう。
しかし、ぜひ、これからは「3:1」を目指してください!
面白い研究があります。
ある研究チームが会社に出向き、ビジネスミーティングで発言される言葉の一つ一つを記録し、ポジティブかネガティブかでコード化してその比率を割り出し、業績との関連を調べたのです。
ポジティブな発言とは、支持や励まし、感謝の言葉です。
ネガティブな発言とは、不承認や皮肉、冷笑を示す言葉です。
60社を対象に分析をしたところ、はっきりとした境界線がありました。
ポジティブな発言:ネガティブな発言の比率が「2.9:1」を上回る会社は経営状態が良好で、その比率を下回る会社では悪化していたのです。
この比率は、この事実を発見したマルシャル・ロサダ氏の名前を取って「ロサダ比」と呼ばれています。
「ロサダ比」は家庭でも同様です。
ジョン・ゴットマンという研究者が、週末の間のカップルの会話を分析し、カップルの関係が維持されるかどうかを予測する研究を行いました。
するとここでも、同じ統計値が算出されていたのです。
ポジティブ:ネガティブが「2.9:1」では、破局に至る結果となり、逆に、きずなが強く、愛情にあふれた結婚を予測するには「5:1」の比率が必要でした。
つまり、良好な関係を維持していくためには、1回パートナーを非難したのなら、5回はポジティブな発言が必要なのです。
日ごろのパートナーとのやり取りを思い出して、「大変だ・・・!」と思った方も多いかもしれませんね。(なにせ近しい関係ほど、遠慮がないことが多いですから…)
職場でも、忙しかったり、状況に余裕がないと、ついつい荒い言葉や批判・非難の言葉が増えてしまいがちです。
でもそんな中でこそ、「よく気づいたね!」「それいいんじゃない?」「助かるよ!」など、周りの人とポジティブな言葉をかけ合うことができたら、チームへの気持ちがグッと高まりそうです。
いい関係を作るのは言葉からです。
職場でもご家庭でも、ぜひポジティブな発言を増やしてみてくださいね!