さて、研修の冒頭は、受講生も緊張しています。
何が始まるのかわからない。周りにいる人がどんな人かもわからない。これは緊張します。
そこで、初対面の人たちとでも、うちとけムードをつくる秘訣をひとつ!
当然、まずは「自己紹介」をお願いするわけですが、その中身はこの4つです。
- お名前
- お仕事
- 今日学んでみたいこと
- 今の気分(ドキドキ/不安/ワクワクなど)
この4つのうち、うちとけムードを作る上で、どれが一番効果を発揮すると思いますか?
それは断然、「4.今の気分」です。
「人と話すのは苦手なほうなので緊張しています」とか、
「皆さん頭よさそうで、自分がここに来ちゃってよかったのか不安です」とか、
「昨日飲みすぎて、まだボーッとしています」など。
ちょっとネガティブなぐらいが一番笑いがおきます。
こんなふうに今の気分を打ち明け、他の参加者に受け止めてもらえると、私たちは「こんな感じでいてもいいんだ」と安心できます。
「もっときちんとしていなきゃだめかな」と緊張していた状態から、ほっと一息つけるんですね。
このようにありのままの自分を伝えることを「自己開示(self‐disclosure)」と言いますが、自己開示には緊張をほぐすだけでなく、人と仲良くなるパワーがあります。
なぜなら、自己開示は相手に対する「信頼の証」だからです。
とくに相手の率直な気持ちを聞かせてもらうと、私たちは「この人は私を信頼してるから、本音も教えてくれるんだな」と感じますね。
そうすると信頼を寄せてくれた気持ちに応えたくなり、「じゃ、こちらも…」と自分の率直な気持ちを話したくなります。
「自己開示」は相手を信頼しているからこそ渡せるプレゼントで、もらうとお返しもしたくなるのです。
これを「自己開示の返報性」といいます。
マネジャーが自己開示をすることは、メンバーの自己開示を促すことになります。
「いや~困ったな~」でも、「わあ、嬉しい!」でも、気持ちの言葉を増やしてみてください。
そうすると、実はメンバーも「困った」「助けて」が言いやすくなります。
さらに、毎朝のミーティングなどで、「今の気持ち」を一言ずつ、メンバーに言ってもらうコーナーを設けてみてください。
「今朝は子どもがぐずってバタバタで、すでにぐったりです」とか、
「今日の提出物、間に合うかな~とソワソワしています」など、
こんな言葉をきいたら、仲間として、思わず手を差し伸べたくなりませんか?
小さな「自己開示」の機会を増やして、チーム・ビルディングを図ってみてくださいね!