第3回は、関さん(仮名)からの悩みです。
関さん 45歳/PM歴15年/技術開発プロジェクトのチーム・リーダー
私のチームは専門分野を扱っていて、複数のプロジェクトを掛け持ちしています。したがって、複数のプロジェクトのさまざまな会議に呼ばれるのですが、何をやっているのかわからない会議や、いつ終わるのかわからない会議に悩まされています。かといって、自分が主催する会議が効率的というわけでもなく…。
なにかいい手はないものでしょうか。
回答
それは困りましたね。そのような状況ではストレスがたまるのも仕方ありませんね。
ところで、関さんは、会議そのものがプロジェクトだと言ったら驚きますか?
プロジェクトの要件である「始まりと終わりがある(有期性)、必ず独自な部分を含む(独自性)」をみると、全ての会議がこれらの要件を満たしていることに気づかれると思います。
したがって、会議のマネジメントをプロジェクトマネジメントのプロセスに従って行えば、会議を効率化できるはずです。
具体的に考えてみましょう。
まず、プロジェクトの立ち上げでは「プロジェクト憲章」を作成し、そのプロジェクトが「何のために、何を目的として、何を成果物とするか」を明らかにします。
会議でも「何のために、何を目的として、何を成果物とするか」を明らかにして、関係者と共有することが大切です。
私の経験でも、「説明会」という名目で召集された会議に出席していたところ、本当の目的は「レビュー」だったということがありました。説明会と思って黙って聞いていたら、いきなり上司から意見を求められて面食らったこともあります。
こんな調子では、「何をやっているのかわからない会議」になってしまいます。
次に「WBS」を作成してスコープを明らかにしなくてはいけません。
会議においてはアジェンダ(討議項目)を明確にすることがこれに当たります。
WBSを作成したら、必ずセットで行わなければならないのが「責任分担マトリックス(RAM)」の作成です。
会議の場合では出席者の選別です。これは、必要な人が確実に参加して、不必要な人が参加していないことが大切です。
必要でもないのに呼ばれた人は「この忙しいのになんでここにいるんだ」と思い、マイナスのオーラを放つでしょう。
また、必要な人が参加していないと、「だいたいまとまったようだが、彼がいないので決定できない」という事態が生じ、せっかく参加した人たちのモチベーションが下がってしまいます。
さらに、「タイムマネジメント」も大切です。マイルストーンを決めて、時間を管理して、納期(会議終了予定時刻)を守りましょう。
「次の予定があるのに」とイライラして時計を見ながらでは有効な議論ができません。
最後に「終結」も重要です。会議のあとで結論について、ある人は、「いい案だったけど保留になって残念だった」と言い、同じ会議に参加していた別の人が、「え?それって、決定だろう」と言ったとしたら、何をやっているのかわかりません。
会議の最後には十分な時間をとって、決定事項の確認をし、早いうちに議事録を関係者にまわして確認をとる必要があります。
「会議をプロジェクトとしてマネジメントする」
ぜひ、すぐにでもお試しください。