第21回は、遠山さん(仮名)からの悩みです。
遠山さん 46歳/PM歴18年/機械メーカーの部門マネジャー
直接プロジェクトマネジメントに関わることではないかもしれませんが、相談させてください。
ご存知の通り、当社では、ここ2-3年はプロジェクトマネジメントに力を入れてきました。
いい成果を出して、顧客にも感謝してもらい、当然次期も継続してなにかしらの案件をご発注いただけるものと期待していたにもかかわらず、受注につながらないケースが増えているように感じています。
発注者側に確認しても、特に弊社に問題があったわけでもなく、発注者側に予算縮減などの動きがあったわけでもないようです。
なにか参考になる、うまい施策があれば教えていただけないでしょうか。
回答
なるほど、プロジェクトが上手く完了する以前に、プロジェクトそのものが受注できないと元も子もありません。
部門マネジャーのお立場とすれば、一番のストレスかもしれませんね。まずは顧客満足と顧客からの信頼が前提ですが、ここではプロジェクトマネジメントの観点から考えてみましょう。
遠山さんのところの部署では、プロジェクトあるいは業務終了ごとにプロジェクト終了報告書を作成していますでしょうか。
プロジェクト終了報告書の主要な項目は下記の4点です。
- 当初の計画
- 計画に対しての修正・変更
- 実績
- 改善すべき事項
継続受注のポイントはこの「4.改善すべき事項」にあります。
この項目は見方を変えると「改善提案書」であり、次期プロジェクトに向けてのプロポーザルになります。
「4.改善すべき事項」に次期プロジェクトの種を仕込んでおくのです。
私自身も以前に同じ失敗をした経験があります。
同僚と一緒に担当した案件で、同僚が担当した部分は継続受注につながったのに、私の担当分はそれっきりということがありました。
そのとき、その同僚になぜだろうかと相談したときに言われたことが、「お前の終了報告書は、完結型になっているからいけないんだ。継続型にしないと次につながらないぞ」でした。
次のプロジェクトの対象になる種(改善項目、追加開発項目など)を仕込んでおけばよかったのです。
例えば、ITシステムの開発プロジェクトであったなら、「××部分のデータ分析のサポートをする機能があれば現場の生産性が上がると感じます」といった具合です。
そのためには、プロジェクト遂行時から、顧客の担当者だけでなく、ユーザー部門と密なコミュニケーションをとっておくと、種を見つけやすいでしょう。
プロジェクトの終了にあたっては「次期につながる種を仕込んだ終了報告書を提出する」
ぜひお試しください。