今回は、西村さん(仮名)からの悩みです。
西村さん 31歳/社内業務改善プロジェクトのリーダー
うちの部署では、本来の開発業務とは別に、部署の年度目標を設定して、毎月進捗を管理することになっています。
私は、部署のコミュニケーション問題を改善するプロジェクトのリーダーなのですが、メンバーの人たちから、必要な意見が出てこなくて、進捗も滞りがちです。
メンバーは、私よりも年長の方も含めて5人いるのですが、意見を求めても、全然出てきません。
個別に相談するとそれなりに意見がもらえるので、メンバー自身が意見を持っていないわけではないようです。
なお、メンバーの中には、客先で常駐しているメンバーもいるため、意見の収集はメールで実施することが多いです。
メンバーから意見を一通り引き出すにはどうしたらいいのでしょうか。
回答
なるほど、意見を求めても、適切な反応がないのであれば、リーダーもモチベーションが下がりますよね。
原因としては、プロジェクト・チームのチーム・ビルディングが不足している可能性もありますが、ここでは別のケースを考えてみます。
実は、私も最近同じような体験をしたことがあります。ただし、その時は私がメンバーの立場でした。
私共コンサルタント同士も、必要に応じてアイデアの交換をします。
客先からの問い合わせに対して、自分の意見だけで対応するのではなく、同僚コンサルタントの意見を聞くことも多くあります。
先日、同僚からある課題についてメールで意見を求められました。
しかし、その内容はけっして私が得意とする分野でなく、むしろ同僚のOさんの方が適切と思える内容でしたが、私宛の問い合わせメールでしたので、私なりに意見を返しました。
そして、返信メールの最後に「この件はOさんのほうが専門だと思いますが、なぜ私に尋ねてきたのですか」と付け加えました。
その回答は「いつものように同報メールで尋ねても、誰からも返信がこないから、今回は個人宛にメールした。Oさんにも別途メールした」というものでした。
なるほど、同報メールだと私は私で「これはOさんの案件だ」と考えましたが、あくまでもこれは私の主観で、Oさんは「これは、佐治さんの案件だ」と考えたかもしれません。そうなると誰からも返信がいかないことになります。
同報メールだと、どうしても当事者意識が低くなるようです。
意見がほしければ、メールを個人宛にして、「あなたの意見が聞きたい」とすれば、受け取った側の緊張感が増し、当事者意識が高まります。
メンバーの意見を聞き出すには、「同報メールではなく個別メールで、可能なら個別に会って意見を聞く」が有効です。
ぜひお試しください。