今回は、木村さん(仮名)からの悩みです。
木村さん 41歳/メーカーの設計部マネジャー
うちの部署では、プロジェクトマネジメントを取り入れて、現実的なスケジュールの作成とその管理をすることになりました。
一人一人の作業負荷を見える化して、1日単位で人の割り当てと負荷を見ようとしたのですが、とても煩雑で、一通りの計画を立てるだけでも多大な時間がかかっています。
現場で、1日単位での管理をしてみたところ、実際には午前中にひとつの仕事をすませて、午後から別の仕事にかかるというような状況です。
また、ちょっとなにかの条件が変わると、すぐにつじつまが合わなくなって、やっと調整したスケジュールが意味をなさなくなるようなことが起きています。
今、問題になっているプロジェクトのメンバーは約20名ですが、どうしたらもっと簡単に現実的なスケジュール管理ができるようになるのでしょうか。
回答
なるほど、20名ものメンバーの負荷の調整を行うのは、大変ですね。
現実的な負荷の調整にはモデル化が有効です。
作業の負荷調整は、1日単位ではなく、週単位でモデル化して考えることをお勧めします。
例えば、ある1週間の作業について、Aさん、Bさん、Cさんが協力して実施するとします。
Aさんが月曜日に計画したものを、AさんとBさんが一緒に火曜日と水曜日に実行し、木曜日にCさんがレビューして、金曜日にBさんが手直しして完成するとします。
このような作業が複数並行しているときに、1日単位で負荷をみていると、とても煩雑になります。
そこで、1週間分のそれぞれの作業量で考えてみることにします。
- Aさん:計画に1日、実行に2日で合計3日
- Bさん:実行に2日、手直し1日で合計3日
- Cさん:レビューだけで1日
AさんとBさんについては、5日のうちの3日で60%、Cさんは5日のうちの1日で20%この作業に関わると考えます。
プロジェクトのすべての作業について、Aさん、Bさん、Cさんの作業を積み上げていくと、1日単位ではなく、週単位での負荷のあらましが見えてきます。
例えば、「Aさんは、この週は作業1に60%、作業2に20%、作業3が30%だから、平均1時間程度の残業で吸収可能だな」というように判断します。
プロジェクト規模によって、週単位でも煩雑であるなら、2週単位、あるいは月単位でのモデル化もありです。
そうして、1日単位、あるいは半日単位の作業内の負荷調整は、担当者に任せてしまうのが、管理者にとっても、担当者にとっても都合がいいものです。
週単位、あるいは月単位で負荷が許容内であれば、実際は何とかまわるものです。
「作業の負荷調整は、週単位、あるいは月単位でモデル化して考える」
ぜひお試しください。