前回は、”不確実性”をキーワードに、狩猟型プロジェクト・マネジャーの必要性とその定義について説明しましたが、今回から、狩猟型プロジェクト・マネジャーの心と視点について考えていきます。
- 1)自覚
- 2)ネガティブフィードバックの打破
最初に狩猟型プロジェクト・マネジャーに必要なことは、成功という重い責任を背負っていることの自覚です。狩猟型プロジェクト・マネジャーには、不確実性の高い、すなわち成功が困難なプロジェクトの成功が期待されているのです。
そしてプロジェクト・マネジャーは、責任という重みをベースにして、自由に思考、行動することが求められる職務です。「既存のプロセス通り実施しましたが、うまく行きませんでした」ということが言えない職務だと言えます。
狩猟型プロジェクト・マネジャーは、自分から積極的にその責任を引き受ける気持ちを持たなければいけません。
まずは、それが心のスタート地点になります。
次に、重さ故に身動きがとれない、意思決定ができないという壁を破る事が求められます。この見えない壁のおおもとは、ネガティブフィードバックと呼ばれるもので、何かの行動を行うのに、抑制する力が過剰に働きすぎる事です。ネガティブフィードバックに縛られると、自由に動けなくなりますし、チャレンジ精神も発揮できなくなります。
ネガティブフィードバックは、自由気ままな行動を抑制し、社会的な規範を維持する上では必要なものではありますが、長い時間をかけて、無意識レベルまで私たちの中に入り込むものです。それが、プロジェクトマネジメントの障害となることもあるのです。
一度、日頃の行動や意思決定、発言などでネガティブフィードバックが掛かりすぎていないか、確認されてみてはいかがでしょうか。
次回も、狩猟型プロジェクト・マネジャーの心と視点の続きです。