エジプトで30年近く独裁を続けたムバラク大統領が辞任した2011年2月11日は現代史の転機になるだろうと言われているが、中国の急成長と民主化問題、日本政治、相撲の混乱など大小様々なニュースをみても大きな変革の予感をさせる事が多い。誰が見ても世界の大きな変革期にあたるのだろう。
そして、テレビでの討論会などを見ても本当に多くの考え方や意見が飛び交い、言い訳や開き直りの多さが際立っている。退屈な映画を見るよりも国会討論などの方が面白い。
プロジェクトの進め方も大きな変革期にあると感じている。それは、いままでの組織と個人の関係の変化、ビジネス環境の急激な変化で過去の知識で運用できる領域が急速に減少しているからである。
では、何が大切になるかというと、様々な知を効果的に統制していくスキルと多様な価値観をまとめていく上で必要な自分の哲学とも言う独自の価値観である。そして他者との効果的な結合も同時に要求されるであろう。さらに、最終的にはアイデアが差別化の要素になると感じている。
これらは、いままでも重要ではあったが、今後は非常に大きな差別化要因になると思う。特にアイデア力(アイデアを生み出す力)は短時間で養成するのは容易ではない。
しかしながら企業は、異質の領域の専門化を組み合わせてアイデアを生み出しやすい環境を作り上げるなどの選択肢がある。
また、アイデア力をじっくり育成していくには小、中、高校で感受性を刺激する新しい教育カリキュラムやそれに対応できる教員を増やすことも大切になると思う。
ちなみに「奇跡の教室」という本で、伝説の灘高国語教師(橋本武さん)が薄い文庫本を3年かけていろいろ深く広く読み解いていくスロウ・リーディングという個性的な授業での効果が紹介されていたが、こういう体感型の知的刺激を広げる方法もいいのだろうと感じた。(東大合格者ゼロの時代から日本一に導き、また日本の多くのリーダーを生み出した伝説の教師の話)