年の瀬も迫りくる今日この頃。
あなたも、私も、みなさん一年良く頑張りました!
ところで、今年一年も、きっと毎日せわしなかったですよね。
毎日毎日、余裕を作りたくてあくせくしているはずなのに、結局ゆっくり過ごせたためしがない。
私たちは限られた時間の中で、できる限りのスピードで物事をこなしていこうといつも努力しています。
朝の通勤時など、誰もが自分にできる一番早い歩き方で目的地にたどり着こうとしています。
ランチの時も、スマホを横目で見ながら、皿の上のものを「とにかく片付ける」ことが目的であるかのように、ちゃかちゃか口に運びます。
ダブルクリックの、クリックとクリックの間は、これ以上ないぐらい短いことが最善のようです。
このコラムにしても、左から右へ斜め読みして、なるべく早く読み終えることを目指しているかもしれません。
先日入ったカフェで、電子マネーを推奨する宣伝文句に「素早くお会計できることで、あなたのリラックスタイムを少しでも増やします」と書かれていてちょっと驚きました。
「電子マネーを使って、数秒節約できた!」と喜ぶって、本当にリラックスに近づくのでしょうか……(いえ、便利だとは思ってますが……)
かくいう私も、ある日トイレで、トイレットペーパーの必要量をできる限り早く巻き取ろうとしている自分に気づいて、うっすら悲しくなりました 笑
そこで節約したはずの数秒は、いったいどこで有意義に使われているというのでしょう。
つねに「最短・最速」であることを追い求める生活が、かえって心から余裕を奪っていくかのようです。
そこでもう、いっそのこと、ゆっくりやってみませんか?
スピードアップ、ではなくスローダウンです。
日常の何気なくやっている動作を一つ選び、スローにやってみてください。
お皿洗いを、一枚ずつ丁寧に洗ってみる
食事の一噛み一噛みを、時間をかけてゆっくり味わってみる
歯磨きを、利き手ではないほうの手を使って集中して磨いてみる
年賀状の宛名をゆっくり手書きしてみる
など、いろいろチャンスはありそうです。
「うう、もっとさっさと済ませたい!」という苛立ちを感じるでしょうが、「これこそが私の余裕を奪っているのね!」と思い、めげずにゆっくりをキープします。
するとだんだん動作と心のペースが合っていき、「心が落ち着く」経験ができるはずです。
日常、最短でせわしなくやっていることを、「時間をかけてゆっくり行う」贅沢を、ぜひ、この年末年始に試してみてくださいね!