ほぼ隔年でテレビ放映されているこの映画は、もう何度もTV等でご覧になった方もいらっしゃるでしょう。不思議な石を持つ少女シータと、空にあこがれる少年パズーが織りなすボーイミーツガールのストーリー。この不思議な石(飛行石)とラピュタのお宝をめぐり、特務機関と空中海賊の一家が獲得競争を繰り広げる冒険活劇でもあります。
映画の中で、シータは特務機関につかまって幽閉され、「飛行石」を奪われてしまいます。パズーは海賊一家に手伝ってもらい、何とかシータを助け出しますが、「飛行石」は特務機関に奪われたまま。そこでパズーとシータは海賊一家と協力して、ラピュタに向かって飛び立った特務機関の飛行船を追いかけます。
そんな海賊一家の飛行船、タイガーモス号の中でのひと時。当然シータもパズーも「お客さま」ではないので、それぞれに仕事を割り振られます。パズーはこれまでの経験から飛行船のメカニック補佐担当に。一方、シータは掃除と乗組員の料理担当に。
ただ、これまでタイガーモス号に乗っていた「女性」は(たぶん)気性の激しいドーラのみ。そんな中にかわいいシータが乗り込んで来たのですから、ドーラの息子たちは彼女が気になってしかたがありません。何か理由をつけて、シータのいるキッチンへ。「ひ、暇だから、なんか手伝おうかな…なんてな…」とドーラの次男がキッチンに来れば、間髪を入れずに長男もやってくる始末(笑)。シータの魅力に惹かれ、自分の持ち場を離れて一体何をしているのやら…。
さて、ここまでひどくなくても、仕事の場面で「自分がしたい仕事、作業しかしてくれない(優先する)」といったメンバーはいませんか?いや、そもそもそんな状況が常態化してしまえば、当然現場はまわらないことに。「この責任者はいったい誰なんだ!」という事にもなりかねません。
そんな「責任者を明確にするツール」がPMBOKにあります。RAM(Responsibility Assignment Matrix)、責任分担マトリクスと呼ばれています。このツールの役目は、それぞれの作業における責任者を明確にすることです。責任の所在を明確化することで、期待された作業成果を確実に積みあげてもらえるように工夫しているのです。それぞれがやりたい事だけをやり、責任を持ちたくないことを手放してしまっては、大きな成果を生み出すことはできません。
今回の引用シーンはちょっとした息抜き程度のものであり、映画の本筋はラピュタにたどり着いたその先のドラマにあるのは言うまでもありません。
ちなみに、「天空の城ラピュタ」はジブリ映画の中でも劇場公開当時はセールス的には全く振るわなかったことで有名です。が、そののち「となりのトトロ」がヒットしたこともあり、その前の作品である「ラピュタ」もテレビで何度も放送されることになる「大器晩成型」の映画に成長。今では安定の視聴率を稼ぎ出しているのは皆さんもご存知かと思います。
それではまた次回をお楽しみに。