背景・ストーリー
外資系企業から受注した新製品開発業務について、先方のマネジャーから、今までになく厳しい要求を突きつけられていた。
「当社の取引先でMicrosoft® Office Project(以下MSPと表記)を使っていないのは貴社だけです。貴社の示すスケジュールでは、とても納期が守れるように見えない。当社にとってこの製品の発売は非常にインパクトの大きいものになります。あなたの会社のマネジメントを何とかしてほしい。」
MSPを導入し講習を実施した結果、プロジェクト・マネジャーと各リーダはMSPでのスケジュール管理を行い、顧客への報告を開始したが、納期管理・リスク管理は、顧客が望むレベルに到達できていなかった。
課題
- MSPの実践適用ノウハウの不足
- 進捗管理業務プロセスの未整備
ー進捗計量の属人化、不正確な実績把握に基づく進捗報告
ー不十分なリソース負荷の把握 - ライフサイクルを通したリスク・マネジメント・プロセスの未整備
解決策
- MSP操作の徹底理解研修
(業務に必要な機能を効率よく実施するためのカスタマイズ講座) - MSPを活用した実務演習研修
(実業務のサンプルを用いたケース演習講座) - 実務において効率的にMSPを使うためのオリジナル・テンプレートの開発
- スケジュール進捗オペレーション業務の支援とノウハウの提供
※プロジェクト期間:約18ヶ月
成果
- 主要メンバー全員による効果的・効率的なMSPの利用
- 正確かつ迅速なスケジュール進捗管理の実施
- 納期管理・リスク管理の品質向上
担当コンサルタントからのメッセージ
MSPは、プロジェクトマネジメントの実施を助け、マネジメントの品質と効率を向上させるツールですが、単にMSPの機能・操作についての知識を得ても、プロジェクトマネジメントの品質向上には繋がりません。
この事例でも、スケジュール管理ツールであるMSPの導入以前に、WBSをはじめとするプロジェクトマネジメントの考え方の普及とマネジメント意識の向上が必要でした。その上で、それぞれの業務に応じた実践的なMSPの習得、マネジメント・プロセスとマネジメントツールの整備を行うことで、納期遅延というお客様の課題解決へ繋がることになりました。