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コーチング・マネジメントとは?メリット、デメリットや仕事に活かせる学び方を解説

丸山 奈緒子
公開: 2024.07.17

コーチング・マネジメントとは?メリット、デメリットや仕事に活かせる学び方を解説

従来の指示命令型マネジメントでは、なかなか部下の成長につながりづらいという課題があるなか、対話を通じてメンバーの成長を促進する、「コーチング型マネジメント」が注目されています。
この記事では、コーチング型マネジメントを職場に取り入れる方法や学び方、活用術を解説します。

この記事は次のような人におすすめ!
  • 職場にコーチング・マネジメントを取り入れたい
  • 職場のコミュニケーションを活発にしたい
  • 部下の教育方法に悩んでいる
  • メンバーの仕事のパフォーマンスを向上させたい

コーチング・マネジメントとは?

コーチング・マネジメントは、部下やメンバーの成長とパフォーマンス向上を目的として、コーチングの手法を取り入れたマネジメントスタイルです。マネージャーやリーダーが部下やメンバーとのコミュニケーションを深め、個々の能力や強みを引き出し、課題解決能力を向上させることを目指します。
コーチング・マネジメントは、従来のトップダウンの指示命令型とは異なり、対話を通じてメンバーが自ら行動すべきことを見出すよう促します。結果、メンバーの主体性や自律性を高め、より高いレベルへの成長を促し、チームや組織全体の生産性や効率を向上させる効果が期待できます。

従来のマネジメントとコーチングの違いは?

従来型のマネジメントであれば、マネジャーが目標を与え、目標達成に向けて何をすべきか指示を出し、計画を示し、達成を細かくチェックします。また上下関係が明確にあり、責任の所在も上司にあります。迷ったときに決断したり、トラブルや問題が発生したときに解決策を考えるのもマネジャーです。
 
コーチング型のマネジメントであれば、目指す目標をメンバーとともに設定し、目標達成に向けて何をすべきか計画を一緒に検討します。また実行段階においてはメンバーを励まし、フィードバックを与えます。両者の関係は上下関係というよりはパートナーシップといえます。迷ったときの判断は両者で協力して下したり、権限移譲の度合いによってはメンバーに任せます。
 
このように従来型のマネジメントは短期的な業績達成に向けてマネジャーが先頭に立ってリードするアプローチである一方、コーチングは長期的な個人および組織の成長に向けてメンバーが主体となって進められるよう、マネジャーは支援・育成に回るアプローチです。

コーチング・マネジメントのメリット・デメリット

メリット

1.メンバーの主体性を引き出せる

人は自分の意見を尊重されていると感じれば、その実現に向けてより積極的になり、責任をもって役割を果たそうとします。困難や障壁に出くわしたときも、簡単にあきらめず、どうにかして成功の道筋を探ろうとするでしょう。

2.成功体験を積んでもらうことができる

マネジャーが指示を出した通り行動してうまくいったとしてもそれはマネジャーの成功にしかなりませんが、部下自身のアイデアで成果を出すことができれば、自分の成功体験として自信やモチベーションにつながります。

3.マネジャーやリーダーにない発想やアイデアを問題解決に活かせる

指示命令を出そうとすれば、マネジャーやリーダーは自分の経験値やスキルから解決策を提示しますが、それがいつでも優れているとは限りません。メンバーと対話をするなかで、新しい発想やアイデアが生まれてくる可能性が高まります。またマネジャーやリーダー自身も、新たな方法や視点に気づく学習のチャンスが多くなります。

4.信頼関係の向上

一方的な指示を出され、受け取る関係では信頼関係は構築しにくいですが、パートナーとして尊重されていると実感できるコーチング・マネジメントにおいては、マネジャー・メンバー間の信頼関係の構築や、職場環境の向上にもつながります。

デメリット

1.時間がかかる

コーチングの対話のための時間の確保は必要です。また、長期的にメンバーの成長に関わる姿勢でもあるため、非常に短期のプロジェクトである場合などは難しいでしょう。また、本人なりの試行錯誤を支援するアプローチでもあるため、手戻りの時間を必要とすることもあります。進行中のプロジェクトに合わせてコーチングテーマを設定している場合、そのような時間的余裕も見ておく必要があります。 

2.知識や経験が全くない場合は難しい

コーチングでは現在直面している課題解決や達成したい目標に向けて、メンバー自身の考えを引き出していきますが、まったくの未経験や知識がない場合、それが難しくなります。業務経験が全くない状態のメンバーにはコーチングよりは指示命令型のほうが向いているでしょう。

職場でコーチングを取り入れた方が良いケースとその理由

1.メンバーの成長を支援したい場合

新しい役割や業務担当についてもらう場合などに、コーチングを取り入れることで、本人の悩みやつまずきを受け止めつつ、うまく適応するまでのプロセスを支援できるでしょう。あるいは、同じ業務を続けていたとしても、その人なりの工夫を見出してもらったり、業務改善を図ってほしいときなどに、コーチングを取り入れることで、本人の改善意欲を引き出すことができるでしょう。

2.複雑で新規性の高いプロジェクトを進めていきたい場合

コーチングはマネジャーの既存の知識・経験でカバーできる領域よりも、未知の領域や先の見通せない領域において、メンバーとともに答えを探していくパートナーシップが自然と発揮できることになります。マネジャー自身が答えをもっていない領域にチャレンジしようとするメンバーがいるときこそ、コーチングによる支援を心がけるとよいでしょう。

コーチング・マネジメントに必要なスキル

1.傾聴

コーチングでは、相手の話をきちんと受け止め、理解・共感し、リアクションする能力が必要です。メンバーはマネジャーが自分の話を正しく、感情も含めて理解してくれると感じると、安心して会話を続けようと感じます。ここにはノンバーバルなメッセージと、言葉の上でのやりとりのすべてが含まれます。

2.質問

コーチングでは、相手の視野を広げたり、解決策の探索を行ったり、現実的にとれる方策を絞り込んでいくために、質問を行います。マネジャーは質問によって相手が受ける影響を理解したうえで、適切なタイミングで適切な問いを投げる必要があります。問いの豊かさや幅の広さが、対話の深さや広さを決めていくともいえるでしょう。

3.承認

コーチングでは、メンバーの努力や苦労、長所や能力を積極的に認め、言葉にして伝えます。メンバーは新しい役割や難しい業務に挑戦しているとき、ときに「私にはむりだ」と自信を失ったり、「これでいいのだろうか」と不安にさらされます。そのようなとき、マネジャーからの承認があることで、自身と勇気を取り戻し、挑戦を続けることが可能になります。マネジャーは相手の目に見えない努力や苦労を見出したり、これまで認められてこなかった本人の隠された長所や能力を見出していくスキルが必要です。

4.フィードバック

コーチングでは、メンバーが自分の行動を振り返り、修正をしていくうえで必要な情報を提供します。マネジャーがメンバーに対して具体的で前向きなフィードバックを伝えることができると、相手は意欲を失うことなく、改善点にも目を向け、行動を変えることができるでしょう。

5.目標設定

コーチングでは、現場で具体的な行動を起こすためのプランを手にする必要があります。マネジャーはメンバーとの対話の中で、実行可能で達成可能な行動目標を設定する必要があります。メンバーのやる気を起こし、成功体験につながるような目標を設定できることは一つの重要なスキルです。

コーチング・マネジメントのスキルを学ぶには?

1.集合研修やe-ラーニングで学ぶ

コーチングの基本的な考え方や知識をインプットし、自分なりにやってみるアウトプットを行うことが重要です。
アイシンクのサービスでは、e-ラーニングによる個人学習や、対面/オンラインでの集合研修で学ぶことができます。とくに対面/オンラインでの集合研修では、ロールプレイを行い、フィードバックを得ることで、自分のコーチングスキルについて伸ばすべき点を知ることができます。

2.コーチングを受ける

自分自身がコーチングを受けてその進め方や効果を実感することは、マネジャーとしてコーチングを実施・実践する上で重要な体験になります。アイシンクではプロによるパーソナルコーチングを提供しています。マネジャーがコーチングを楽しみ、自身の変化・成長をいきいきと実感することが、メンバーの成長を支援したいという意欲にも直結するでしょう。

ご興味がある方は、貴社の現状課題に合わせたヒアリングや事例の紹介をさせていただきます。
お気軽にお問い合わせください!

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まとめ

コーチング・マネジメントを取り入れることで、従来の指示命令型のマネジメントから脱却し、現在のビジネス状況に即したメンバーの成長支援と、組織全体の長期的なパフォーマンス向上を可能にします。マネジメントの必須要素として、マネジャーのコーチングスキル習得を後押しできる人物が、これからの時代には求められます。アイシンクのコーチングサービスにてぜひ実践してみてください。


著者情報
日本健康心理学会認定 専門健康心理士、米国PMI®認定PMP®、東京大学特別講師
丸山 奈緒子

出版社での編集者を経て、アイシンクに入社。心理学をベースにしたヒューマンスキル系講座の開発・講師担当。ストレスマネジメント、アサーション、コーチング、交流分析、ファシリテーションなど、PMのニーズに即した講座を提供している。
講座では、心理学のエッセンスを盛り込みつつ、実務と結びつけてわかりやすく解説。受講生を笑いに巻き込むテンポのよいファシリテーションも人気を博している。


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