現場の課題解決プロジェクトから学ぶ
PBL(Project-based Learning)を取り入れた研修
研修後「学んだことが今一つ実務と結びつかない」「知識は得たが、実践できるかどうか分からない」と、多くの方が感じたことがあるのではないでしょうか。その要因の一つとして、研修で学んだことが現場で生かされていないことが挙げられます。
アイシンクでは、様々な組織と接する中で「自主的にリーダーシップを取り、課題解決をしていく力」に対する強いニーズがあることを知り、このような「研修知識の実践活用」そして「組織の課題解決を担う人材育成」に応えるため、PBLを取り入れた研修を開発しました。
PBLメソッドの簡単な開発背景と基本アプローチ説明
PBL(Project-based Learning またはProblem-based Learningとも呼ばれる)は、少人数のグループで行う「課題解決プロジェクト」をツールとして、主体的な課題発見・解決力や協働する力の向上を目指す教育・学習メソッドです。
PBLは、下記のような設定を通して、学習者の自律的かつ高次な学びやスキル向上を試みます。
- 主体は学習者自身。PBL担当者は、通例の講師のような知識提供者や評価者ではなく、アドバイザーの役割を持つ →「講師から期待された回答」を目標にしないことで、学習者自身のクリティカルで創造的な思考を呼び起こす
- 現場のリアルな課題に取り組む→学びの動機付け(「学び」と「現場の実情/実践」を繋げる)
- 課題は、解が一つではないもの→複数の解決策を見出し、その中から最適なものを選ぶ分析力や判断力を身につける
- プロジェクトを通し、定期的に「振り返り」を行い、学びの成果や教訓を書き記し、自分自身とメンバーのパフォーマンスの相互評価をする→得た知識をどのように現実に活用するのかを考え、自身と他者の成果を比較することで、自分の「学び方」について考える
- グループで協働する中で、ヒューマンスキルを向上させる
PBLは、1960年代にカナダのマクマスター大学の臨床医学部で、講義での学びが医療現場における応用に繋がっていないことに課題を感じた教員たちの間で取り組まれたのが始まりとされています。これまでの座学や暗記偏重主義に代わるものとして、欧米を中心に開発されてきました。特に90年代から世界中で普及が進み、今では体系的なアクティブラーニングの一環として、ユネスコや日本の文部科学省などの教育機関のほか、産業界からも強く推奨されています。
PBLが「これからのメソッド」として選ばれる背景には、急速に進む技術革新やグローバル化に伴い、社会で必要とされるスキルやコンピテンシー(行動特性)が大きく変わってきたことがあります。市場ニーズや技術の変化が更にスピードを増すこれからの時代、我々は常に「独自の価値」を生み出さなければなりません。そのための課題解決力や人間力を包括的に育成できるメソッドとしてPBLは注目されています。
PBLのターゲット・期待できる効果
アイシンクのPBLは、お客様のニーズや対象者の特性に従い、カスタマイズして設計いたします。
PBLで期待できる効果の主なものとして、下記のものが挙げられます。
- 課題発見・解決力、情報収集力、仮説構築・立証能力の向上
- クリティカルシンキングや創造的な思考の促進
- 自律的に学び方を効果的にしていく習慣づけ
- コミュニケーションやチームワーク、リーダーシップ、コンフリクトマネジメントなどのヒューマンスキル強化
- 自部署や日常業務の枠を超えた組織的視点の習得・強化